金比羅宮と善通寺

昨日の事を書こう。つまり昨日の日記の続きだ。

「須崎食料品店」でうどんを食べてから、まずは金比羅宮に向かう。
駐車場に車を停めて自転車で移動する。
金比羅宮近辺の観光客用駐車場は500円くらい、もう少し遠いところだと300円程度。観光地にしては破格だと思う。

途中で「マディソン郡の橋」を和風にしたような場所があった。

 

自転車に乗り換えたものの、金比羅宮の参道自体は自転車の出番が無い。伊勢神宮おかげ横丁のように、完全に観光向けのストリートになっているので。

有名な階段につながる道は、それなりに賑わっている。
なんとかソフトクリームとかタピオカといったデザートを売る店、格言が書かれた手ぬぐい、キーホルダーや木刀、もちろんせんべいや饅頭もある土産物屋が軒を連ねている。
那覇国際通りにも似ている。ひとりで訪れていると、この手の賑わいからはどうしても遠くなる。歩いていても立ち止まる事もないのだが、でも個人的には珍しい風景なので楽しい。

ちなみに石段より平地側の商店街は、ちょっと寂れていた。
昔は賑わったのだろうな、と思わせる街も、今は薄暗い。姉妹都市なのだろうか、なぜか九份の提灯が飾られていた。「インスタスポット」と書かれた看板が物哀しい。

とにかく土産物が並ぶ通りをひたすらに登っていく。
一刀彫も扇子も伝説の武具も興味は無いが、参道が金比羅さんに近づくにつれて「1階は土産物屋で2階は宿屋」の建物が増えていく。こういう場所の2階には泊まってみたい。いやどうせ時間を持て余すのだろうが、なんとなく惹かれるのだ。

石段は急だ。
実は中学校の修学旅行で訪れている。その時はふざけながら登って、特に大変だという記憶もないのだが、今回はそれなりに疲れた。
修学旅行では人生初の讃岐うどんを食べて衝撃を受けたのだが、その店は今は観光案内所となっていた。

全部で何段あって、今は何段目なのか、といった情報があちこちに書かれている。それらは友人知人と登るには良いかもしれないが、一人では大して参考にはならない。どうせ、登るのだ。

では辛いだけかというと、さすがに文化財、見ていて楽しい。若冲の作品がある書院も、小さな博物館も、点在する社も素晴らしい。

唐突に現れる「資生堂パーラー」のお店、ちょっと迷ったのだが止めておいた。資生堂パーラーは好きだが、限定スイーツは興味が無いので。東京か、せめて静岡の資生堂アートハウスでならお茶をしていたと思う。

暑いなか頑張って歩いていくと、大きな社がある高台に出る。
とりあえず参拝客のほとんどが訪れる「金毘羅宮」がある。

海の安全のお社、ということで海難救助隊から造船所まで様々な組織の寄進(?)がある。懐かしい「モルツマーメイド号」もあった。
静岡県三重県の会社の絵馬やパネルもあちこちにある。

 

一休みしてから、さらに奥に進む。
ここまでは絵に描いたような「観光スポット」で、もう少し神域っぽい場所を求めていたのだ。香川に来てから知り合った幾人かも「さらに奥に進め」と教えてくれた。

結果からすると、この奥の院というか、さらに山奥に行く道こそ、すばらしい信仰の地だった。人は少なく、緑は濃く鬱蒼としている。石段はきちんとしていて歩きやすいものの、先がなかなか見えない。

1時間弱歩いて、「奥社」に到着。水も無くなり、色々と考え事をしていたこともあり、この時はスマホで写真を取ることを忘れていた。

紅葉の季節なら、また違った風景が楽しめるのではないか。

行きも大変だったけれど帰りも疲れる。石段を下るのは、膝や足首に負担がかかる。とはいえ、趣味でハイキングや登山をしている人ならば散歩の延長で楽しめると思う。歩きやすい靴と、飲み物が必須だが。

 

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足ががくがくした状態で自転車に戻る。
次の目的地である善通寺にはおよそ7km。あっという間だ。

自転車で走っている限りは涼しい。
でも気温は高く喉が渇く。ほぼ1本道ではあるがコンビニ等は少なく、今回は(偶然だが)補給は全て「スーパーマーケット マルナカ」で済ませた。すごく日常である。

 

 

善通寺
古い自衛隊の建物の向こうに五重塔が見えてきた時は、声が出てしまった。立派なお寺だ。

先ほどの金比羅山に比べれば観光客も参拝客も少ない。お遍路さん達は多いが、「男で、しかもひとり」は珍しいと寺の人に驚かれた。

お金を払って通る有り難いエリアや、各種お守りの販売といった現代的な(いささか俗っぽい)部分も目立つ寺だ。とはいえそれは現役の宗教施設である証拠かもしれない。京都のお寺(JRのCMに出てくるようなやつ)とは、ちょっと違う。
敷地の隅では子どもたちがバドミントンをしていて、地元の老人は大楠の横でタバコを吸っていた。

 

善通寺自体は、ふーんなるほど良いものだね、程度の感想。立派は立派だが、信心が無いので。

 


善通寺にも当然ながら門前町がある。といってもこちらは完全に寂れている。お金をかけて電線地中化と歩道のタイル張りも済ませたのに店が閉まっていて、かなり寂しい感じ。

しかし自転車で散策すると、なかなか趣がある街なのだ。
なにしろ元は軍都で、そして宗教の街でもある。ちょっと変わった雰囲気があちこちに残っている。お菓子屋さん、仕立て屋さん、小さな割烹料理店。ほとんどは閉まっていたけれど、呉や尾道を平面に均して小規模にして内陸に持ってきたようなところがある。

ここでは名物の「堅パン」が買えなかったことが心残り。

帰路の自転車も順調。しかし金比羅山に戻るには緩い上り坂で、石段と寺で疲れた足にはちょっと辛い。

金比羅山から自宅までは、車ならたいした時間はかからない。
今まで遠いと思っていたが、静岡に住んでいた時は自動車通勤でさほど変わらない時間を過ごしていたのだ。これなら近いうちにまた訪れることもできる。

と、そんな感じの「香川県 2大宗教スポット観光」を昨日はしてきた。

今日は筋肉痛がそれなり。なぜか全身が疲れていた。
ぼんやりと近場で過ごした。
一人暮らしだから声には出さないが、もう少しで「どっこいしょ」とか言いそうになった。自転車はともかく、石段がつらい。