映画「アメリカンアニマルズ」

明け方に雨は止み、昼には道路も乾いた。

 

 

というわけで自転車に乗って街まで行く。
今日は高松市街にあるミニシアター「ソレイユ2」で映画『アメリカンアニマルズ』を観た。

 

 



大変に面白かった。
ドキュメンタリー仕立てと言えばいいのか、実際にあった強盗事件を「服役を終えた犯人達が語る→俳優が犯行当時のドラマを演じる」というつくりになっている。映画の構成としてはちょっと珍しいが、これがきちんと機能しているのだから凄い。

つまらない大学生活に倦んだ青年達が「このままではつまらない大人になってしまう、そんなのまっぴらごめんだ」と大学図書館稀覯本(約12億円)を盗む計画を立てて、実際に盗み、そして捕まる。そんなお話。どうしてそんな馬鹿げた事を、と大人になった自分は思うが、自分だって大学生の頃は変な焦りや諦め、それから怒りのようなものはあった。その発散について、ほんの少し角度や量が違うだけで、自分だって彼らのような馬鹿をしていたと思う。映画にも出てくる「うえーい」と騒いだり、同級生をイジったりする若者達にはなれなかった連中の、いささか格好悪いクライム・ムービーとなっている。

 

 

そう、彼らは滅茶苦茶に格好悪いのだ。
ほとんど計画通りには行かず、つまらないミスが頻発する。それでも強盗が成功してしまった為に、犯罪者として刑務所に送られてしまう。
そういう格好悪い人達(本人達)が“いい年齢”になって自らを語る。個々人の証言を元にしているから、それぞれの意見が食い違う事もある。というか、それが物語の肝になっている。

こればっかりは観てもらわないと上手く伝わらない。
中年の常識にどっぷり漬かってしまった僕ならわかる、そしてインタビューを受けている本人達も気づいている、でも劇中の学生時代の彼らにはわからない。一言で表すのなら“青春”だが、長く語れば映画にもなるし本にもなる。そういうお話。

 

ダーウィンの「種の起源」: はじめての進化論

ダーウィンの「種の起源」: はじめての進化論

 

 

映画の中では、たびたび「人生=紡がれる物語」という認識が登場する。自分の中では、この映画のメインテーマが“それ”だと思う。

「生きるとは自分の物語を創ること」という言葉が好きだ*1
初めてその言葉に出会った時に、「まさにまさに」と膝を叩いた(比喩)。ちなみに下のブログのメインタイトルです。

cimacox.hatenablog.com

アメリカンアニマルズ」の彼らは物語を紡ぐ事に意識的だった。
そのせいで、おそらく20代の長い期間を刑務所で過ごすことになってしまった。
自分はもう少し穏当な、ぼうっとした青春を過ごした。のんびりと20代を消費して、いつの間にか今に至る。
でも、彼らよりも僕は上手に生きているのか、思った通りの物語を綴っているのかというと、まるで自信が無い。天使の秤や閻魔様を設定しない限り答えの出ない問いではある。でもまあ、自動筆記だろうがチンパンジーのタイプライターだろうが、読めるのならばそれはとりあえず物語である。
刑務所には行かなかったけれど、今だって自分は少し焦っている。大学生の頃に比べたらまるで微量ではあるけれど、それでも映画の「アメリカの動物たち」に共感するくらいの熱量はある。

 音楽も良かった。でも映画館ではサウンドトラックを売っていなかった。残念。あれば衝動買いしていた。 

 

 

なんだかいつも以上にとりとめのない文章になっている。
気になった人は、ぜひ観て欲しい。
高松は映画が届くのがかなり遅い土地のようだ。東京で封切りされた映画のうちいくつかが数ヶ月遅れで公開される。静岡のミニシアターも遅いと評判だった(少し待てばDVDレンタルが始まるから映画館で観るのを控える、なんて話もあった)。だからたぶん、地元で観ることができない人も、しばらく待てば何かの手段で鑑賞できると思う。
ちなみに公式Webサイトが素敵なので、まずはチェックしてみると良いのではないか。

 

www.phantom-film.com


「汚くてみっともなくて失敗だらけで、でもどこかキュートな青春映画」カテゴリが好きな人におすすめ。「シング・ストリート*2」とか「トレインスポッティング」、ちょっと雰囲気は違うけれど「スウィート17モンスター」に引っかかる人には強く薦める。少し前はイギリスを舞台にした映画に多かった。日本映画にはほとんど無い*3

ピンポン(1) (ビッグコミックス)

ピンポン(1) (ビッグコミックス)

 
ピンポン(2) (ビッグコミックス)

ピンポン(2) (ビッグコミックス)

 

 

 

 

そんなわけで映画に満足できたので、今日は良い日だった。
思い返すと、ここ数日の不調は、低気圧と雨だけでなく、大きな口内炎が原因だった気がする。今日になってようやく気にせず食事ができるようになった。唇を犬歯で噛んでしまった場所に2つできた、潰瘍のお手本みたいな口内炎。慢性的に痛い場所があると、それだけで行動力まで削がれてしまう。ロールプレイングゲームの「状態異常」だったら、まず何を置いても回復すべきタイプのそれだ。でもゲームではないから、魔法1発では治らない。今回は「デンタルクリーム」がよく効いた。

【第2類医薬品】デンタルクリーム 5g

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ところで、先ほどからAmazonのセールに変な集中をしてしまっている。
スマートスピーカーを1個買うと、Amazon Music Unlimited(要は聴き放題プラン)が6ヶ月無料になって、実質的にゼロ円以上の“お得”になる。2980円とそんなに大きな出費にはならないし、Amazonのスマートモニターを便利に使っているから、1つ増やしても無駄にはならないと思う。ちょうどスマートスピーカーなら陳腐化も遅いだろう。
ちょうどUnlimitedのお試し期間が終わったところでもあるので、ぽちりと押してしまった*4

 

 

 

たぶん、このスピーカー以外には何も買わないだろう。1時間くらいサイト内を巡っているが、欲しいものが見つからない。2割引や3割引では「ちょっと欲しいかな」程度の品は買う気にならない。
食料品は安い物が多いけれど、量が多い。グラノーラが安かったけれど、お得なセットを買った場合に6ヶ月間延々と朝に食べ続ける計算になる*5。それなら、適宜地元の店で買うほうがいい。それに、グラノーラのまとめ買いで数千円を払うのはなんとなく抵抗がある。家族がいて、毎朝食べるのが当たり前ならば、数キログラムのグラノーラやコーンフレークスを買い置きするのが正解なのだろう。独り暮らしの効率の悪さが恨めしい。それに、今の僕なら、自作する暇もある。

グラノーラに睡眠時間を削られてはたまらない。というわけでそろそろ寝ます。
今日は映画の後にかなり遠回りしてきた。つまり、自転車でぐるっと走ってきた。おおよそ、高松の“街”の外縁を巡ったかたちになる。
さすがタイレルFX、走るのが楽しい。よく走る自転車は、晴れている時にはひたすら走りたくなるという恐ろしいモビリティである。これでロードバイク乗りの人達並みの筋力があったら、大変な事になっている*6。運動不足だから夕食の時刻には家に帰ることができた。そして程よく疲れて、今とても眠い。

 

 

 

*1:愛好しているという意味ではなくて、同意するという意味で気に入っている。座右の銘ではないけれど、すごく気の利いた表現だと思う。

*2:個人的名作。

*3:日本では、漫画に多い気がする。映画化されたものとしては「ピンポン」がそうかもしれない。

*4:スマートモニター(スピーカー)は本当に便利。といっても普段は音声認識ミュージックプレイヤー兼キッチンタイマー兼ニュース閲覧デバイスなのだが、手を使わない事の便利さはたとえ発展途上の機械だとしても、一度使うと戻れない。

*5:こういう計算をしているから時間がどんどん無駄になるのだ。

*6:隣の市まで走っていただろう。