ようやく自分なりの鶏ハム製作手順が確立した。
なるほど経済的かつ便利な食品だ。冷蔵庫に常備しているわけではないけれど、あると安心、そういう品になっている。冷凍に耐えるのも自分の生活に合っている。
作り方については、特にここで書く必要を感じない。Googleに頼れば大丈夫。失敗がほとんど無いタイプの調理作業だ。
漬けて加熱して冷ますだけ。何に入れるか、何を入れるか、どう熱するか、いくつかの組み合わせがあるだけだ。
今回は消耗品を減らすべく、いつものラップフィルムとチャック付きポリ袋の組み合わせを止めてみた。
完全密閉できるロック付きのガラス容器*1に鶏肉をぴっちり詰めて、鍋のお湯に沈めた。そして真空断熱容器で低温長時間調理をした。
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心配だった中心部も、十分に殺菌できる温度にまで上がっていた。端を切って食べてみたら、きちんと鶏ハムになっていた。
しかし見た目が悪い。
白っぽいベージュで、正方形の肉の塊。SF映画マニアが喜ぶ「ディストピア飯」だ。よくできた培養肉あるいは合成肉に見える。
なるほど素敵な料理研究家(例:栗原はるみさん)がハムの形に巻く理由がわかった。
真四角な肉は、大抵の容器に収めやすい点でとても便利だ。でも自分は羽根とトサカと足がある鶏を知っている昭和の人間なので、ちょっと抵抗がある。
気になるといえば、この鶏肉を買った店の価格もなんだかおかしい。
鶏胸肉は、イオンの精肉売り場にある量り売りコーナー(いわゆる肉屋さん)で買うことにしている。パック詰めされているものは量のバリエーションが少ない。加えて、鶏胸肉は量り売りのほうが基本的に安いのだ。
買う時は重量ではなくて、枚数を指定する。
「鶏胸肉を3枚ください」と言えば、2重のビニール袋に入れて、重量に応じたバーコード付きの価格シールを貼ったかたちで渡してくれる。
この売値が、いつもキリが良いのだ。つまり、一桁目がゼロになる。肉は重量当たりで値付けしているのに、どうして320円とか140円になるのだ。
端数を丸めているわけではない。帰宅して計算してみたが、四捨五入も切り上げも切り下げもしていなかった。
恐るべきイオンの技術力である。
まさか精肉売り場のスタッフがレジの硬貨管理まで考えて鶏胸肉の山から端数が出ないように選び取っているわけではないだろう。そういう類のプロフェッショナリズム*2が感じられるスタッフには見えない。
どこかに鶏胸肉工場があって、そこではイオンの戦略と戦術に最適化された重量と品質の鶏胸肉が培養か合成されているのだ。
さすが21世紀。
僕が子供の頃は、未来を描いた映画といえば「つくりもののご馳走」が定番だった。それか、「つくりものの配給食」だった。そういう未来が四国の片隅にも来たのだ。
さすが僕達のイオンだ。
でも時々思うのだが「生活応援価格」といってほぼ定価で売るのは止めて欲しい。精神論か、って思う。
さらに言うと、ショッピングモールのエスカレーターはどうして配置が非効率なのか。無駄に歩かせるのは感心しない*3。