轟音とカゴ作り

いつもよりは遅めに目覚めた。窓の外から、普段とは違うエンジン音が聞こえる。高松港でアクロバット飛行が行われているのだ。

本来なら、自分も見物に行くつもりだった。
あれは見る価値がある。といっても、自分も実際に見たのは人生で1回しか無いのだけれど、迫力がとんでもないのだ。

でも行けなかった。
目覚めてすぐに、昨晩思いついた工作を開始したので。きっと楽しいんだろうなあ、と想像しながら、手を止めることができなかった。
それに、延々と頭の中で試作検討をしてきたものは、こういう機会を逃すとまた頭の中に戻ってしまう。それは避けたい。

 

 

とにかく、部屋の片付けも中途半端な状態で、レザークラフトを始めてしまった。さらに今回は徹底的に手を抜く「3無いレザークラフト」の方針で(縫わない、型紙を作らない、材料を買わない)進めるので、どうしても試行錯誤が多くなる。手を抜いて、基本の技術から離れると、どうしても失敗は多くなる。完全に目論見通りに行けば楽しいし早いのだが、先人の知恵を捨てる分だけ、失敗ややり直しが増える。つまり、ギャンブル性が高くなる。
まともな人間がギャンブルで生計を立てないように、手芸と工作も、基本の技術こそ「トータルでは勝ちが多い」ことがほとんどだ。
レザークラフトは、職人もアマチュアも基本技術が同じなので、仕上がりも効率も、教科書通りに進めることが正しい。
でも仕上がりさえ気にしなければ、あるいは自分の基準で満足できるのならば、かなり自己流が許される趣味でもある。これは「革」という素材の優秀さが実現している。端の処理も簡単、丈夫なのに柔らかく、仕上げ処理や塗装もほとんど求められない。

 

 

 

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そして今日作ったのは、自転車へ付けるカゴ。
カゴ自体は、昨日ニトリで適当なものを購入した。980円。安い*1

カゴから取っ手を外し、端切れ革でステーを介してサドルと接続する。ステーは本来、サドルの後ろ側にボトルを取り付けるための金具だ*2。無加工で、つまり不具合があった時には戻せるように、仕上げることができた。

試乗してみたところ、とても便利*3
今までカゴが無くて不便だったのだ。スーパーマーケットに行く時は、肩のベルト部分が幅広いバッグが不可欠だった。

 

レザークラフトの教科書

レザークラフトの教科書

 

 

折りたたみ自転車なのに走行性能重視の自転車だから、荷物の事なんてメーカーは全然考えてくれない。生活者の視点が欠ける自転車なのだ。
そして、本格的な自転車屋さん*4では、いわゆるロードバイクのアクセサリーしか手に入らない。

そういう時は作るしかない。
あまりに手作り臭さがあるのは好みではないため、「家庭用品をくくりつけただけ」には見えないように気を遣った。
革は生成りのヌメ革を使用。この革は、これから作り続ける自転車用のアクセサリー(ペットボトルホルダーや専用バッグやハンドル)も同じものを使う。
インテリアと同じで、色味を限定し、素材を揃えると、それだけで素人っぽさが抜ける。デザインの世界ではどう言うのか知らないけれど、自分はこれを「韻を踏む」と読んでいる。
家具でいえば、とりあえず「同じシリーズ」が無難で、それが無理なら「同じ木材」を選べば、ちぐはぐな部屋にはならない。
今回、機能的には無意味な部分にも革を使ったのは、そういう狙いもある。安いカゴをぽんと付けただけだと、安いカゴを付けただけにしか見えない。こういうのはセンスではなくて技術だと思う。

 

やさしいデザインの教科書[改訂版]

やさしいデザインの教科書[改訂版]

 

 

一応はこれで完成。折り畳み時にも邪魔にならないようになっている。取り外しも、工具さえあれば簡単にできる。
とはいえ、このままではきちんと輪行バッグに入れるのは難しい。リュックサック(kanken)がぴったり入る大きさで、とりあえず島巡りくらいは不自由しない筈だが、今後はさらなる改良を進めていくつもりだ。着脱機能については、改善の余地がある。

 

 

 

朝から場当たり的に作業を開始した。
なので、今とても部屋が散らかっている。
4歳児が3人くらい遊びに来て、親がどこかに行ってしまって3時間くらい経ったような状態となっている。
部屋の反対側には、分解中の空気清浄機*5もあるし、今夜は前職の同僚たちと食事もするので、なんというか、今はしっちゃかめっちゃかである。

でもがんばる。
午前中は飛行機を見に行かずに、衝動的に工作を始めてしまった。
こういう流れの時には、衝動のまま片付けをしないと、後で苦労する。誰も注意する人がいない独り暮らしの場合は、尚更。
出発時刻にタイマーをかけて、パソコンで音楽を再生しながら、掃除と片付けを始めます。ブログを書いている場合ではない。

 

 

お題「愛用しているもの」

 

 

*1:安価なのは有難いが、艶消しの黒で、寸法がぴったりの品というのが優先事項だった。無塗装のステンレス製品を工作の素材にするのならば、無印良品がいちばん手っ取り早い。自転車屋には無いし、雑貨屋だと黒猫のプレートが溶接してあって、そこに英語で何か書かれている。

*2:長距離を走る人達は、サドルの後ろに2本のボトルをセットするらしい。

*3:試作したら思いのほか高性能、というのはロボットアニメではよくあるが、現実では珍しい。わからない人はガンダムを見ましょう。
僕は怠惰なので、このまま試作品を使い続ける。
ロボットアニメでは主人公に何かしらの事情があって、その高性能ロボットに乗り続けることになる。それぞれ、色々と都合があるのだ。

*4:趣味の自転車が置いてあるお店。

*5:異音がした。修理できそうだが、最近の家電はネジが外から見えないので分解がとても大変。きちんと時間をかけないと壊してしまいそう。