お昼にチーズナンを食べた。当然ながらカレーも食べた。
古い和風のお店を居抜きで使ったインドやネパール料理のお店って20年くらい前から急増した。和風の座敷やカウンターが残っていて、でも大きなモニターではインドのミュージックビデオが流れていて、シヴァとかガネーシャのタペストリーが飾られているのが、なんだか面白い。
少なくとも、コンビニの建物を改装したお店より楽しめる。
今日行ったお店は、インドのポップスやロックのビデオではなくて、ヨガの教材が延々と流れていた。しかもインドのそれではなく、
大阪のエステティックサロン監修のもの。アーユルヴェーダを活かしたシャンプーが有るとか、こんなアロマもオススメです、といった宣伝が唐突に入る。水素水の説明もある。
得難い経験ではあった。
しかし、飲食の場で、ああいうフィットネスと美容に関する映像情報を見せられるのは、とても辛いものである。大袈裟に言えば災厄である。少なくとも、何かを耐えなければいけない状況だった。
皆も想像してみて欲しい。*1
カレーもナンも美味しかった。
ただし、わざわざ再び、あの店に行く気にはなれない。
ヨガのビデオは別としてもだ。僕は大抵のインド・ネパール料理店で満足してしまう。スタートの時点で70点を得ているテストみたいなもので、今のところ「あの店は不味いからもう行かない」という経験も無い。
ということは、つまり、またうっかり今日の店に行く可能性もある*2。
数ヶ月後のある日、お腹空いたなー、チーズナンが食べたいなー、と思った時に、ふらりと車を入れてしまいそうな予感がする。ドアを開けた瞬間に、ヨガ・ビデオのことを思い出す。
目覚めた時に「今日の夢は正夢になる気がする」と思うことがある。根拠は無いが妙にリアルな“予感”。
今こうして書いていて、その“予感”が頭から離れない。
恐ろしい事だ。
こういう時は人間に頼ってはいけない。21世紀なので、モバイル機器を活用したい。といっても、おすすめのお店情報についてのアプリや機能は世の中には数多いが、地雷を何とかするアプリなんて、Windowsの暇つぶしゲームしか知らない。
Googleは僕の行動をかなりの精度と頻度で監視しているのだから、僕があの地雷(ヨガ・ビデオ&カレーショップ)に車を停めた瞬間に、
- 過去に酷い目に遭った(マイナス評価を記録した)
- その店に車で移動し、駐車場に入った
- 食事の時間帯である
といった条件で、アラームを鳴らしてくれてもかまわない。
店名を人に言いふらしたりはしない。SNSで拡散させて、あの店に不利益になるような事はしたくない。
ただ僕は、個人的に、もうあの店には、間違っても入りたくない。
そんな個人を守る絶望回避ツールこそ、穏やかでお互いを尊重する社会には必要ではないか*3。
というわけで、この店の名前は、知らない人には教えない。
信用できる知人になら教える。ただし、お店に行って、店にビデオの件を説明して、これからはこってりしたミュージックビデオに切り替えてくれるようにお願いしてくれるのなら、という条件が付く。
ヒントを1つ。
店の奥に漫画や雑誌が置いてあるラックがある。そこに半年分くらいの「ちゃお」と、愛蔵版の「寄生獣」があった。「蟲師」も全巻、揃っていた*4。
高松市内のインドやネパール料理の店を片っ端から当たればいずれ辿り着くだろう。興味がある人の参考になれば良いのだが。
普段は、むっちりした筋肉質の美男子が30人くらいで踊りながら、むちゃらぱちゃらと知らない言語で歌うミュージックビデオを見せられても、全然気にせずカレーとナンを楽しめる。真ん中で踊っている髭のおじさんと目が合っても大丈夫。むしろ、安いインドカレー屋における、趣きすら感じる。
でも、今日のヨガは駄目だった。その差は何なのか、それは自分の中できちんと整理しておきたい。
- アーティスト: オムニバス,ソウミヤ・ラオー,アリシャ・チノイ,スリニバス,サスワティ,スネハ・パンディト,スデッシュ・ホスル,アヌパマ・デシュパンデ,アブヒジート,ソヌ・ニガム,スジャザ
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