四国村と瀬戸内国際芸術祭2019

意外としっかりしている、と巷*1で噂の「四国村」に行ってきた。
歴史がある観光施設であり野外博物館であり、そして今回の瀬戸内国際芸術祭2019では作品の展示も行われている。

www.shikokumura.or.jp

確かに立派な博物施設だった。
四国・瀬戸内海周辺の古い建物、その本物を移築しているわけだから見応えがある。中部地方の人間ならば明治村あたりを想像すれば良いだろう。

古いパンフレットや観光案内ではもう少し俗っぽい説明がされている。「四国の名所旧跡がひとつにまとめられている」とある。
確かにそういう部分はある。「かずら橋*2」などを、わざわざ山奥に行かずとも楽しめる。隣接して古民家っぽいうどん屋さんもある。山を登れば屋島もある。実際、建物自体は文化財指定されていても、昭和の観光施設らしさはあちこちから伝わってくる。

失われゆく文化財を残す、という博物館的な場所でもあり、いささか寂れつつある観光地の総合施設でもある、という面白い場所だった。

 

敷地内には、安藤忠雄氏設計の「四国村ギャラリー」もある。
今は猪熊弦一郎氏の企画展を開催中。
運営元の企業オーナーが集めたコレクションが常設展示らしいけれど、今日は見る時間が無かった。

なにしろ広い。
のんびり真面目に全ての建物を巡れば1時間では全然足りない。
若い人で、古い建物に興味が無くて、特定の施設(芸術祭のアートや上述のギャラリー)にのみ用がある人にとっては、1000円の入場料は高いかもしれない。
そうでない人には存分に楽しめる内容だろう。健脚のお年寄りならば、間違いなく喜ぶ。
僕だって楽しい。やはり本物は良い。

 

山の斜面、かなり広い範囲に建物が点在している。
小豆島や直島のアート系施設とは違って、良くも悪くも緑が鬱蒼としていた。つまり、今の季節ならば、毛虫が木の上から糸で降りてくる、よくわからない羽虫が飛び回る、ということもある。
道は良いけれど斜面が続くので歩きやすい靴は必須だと思う。四国村ギャラリーにカフェでもあれば最高なのだけれど、茶店や休憩所の類は入口近くにしか無いため、お茶や水も持っていきたい。

瀬戸内国際芸術祭2019の会場として、と考えるとわざわざこの場所に1つの展示を見るために訪れるのはおすすめしない。
かずら橋と展示作品の風景はとても面白いけれど、なにしろ1箇所だけである。会期中に様々なイベントが開催されるので、それを併せて楽しむのが(少なくとも県外からの参加者は)良いと思う。

 

そういえば、瀬戸内国際芸術祭2019について、ガイドブックを読んで、それから地元高松市のいくつかの展示やイベントを見て思ったことがある。
今回の瀬戸内国際芸術祭は「地元への目配せ」が前回や前々回よりも露骨な気がする。それは「土地の暮らしと〜」とか「島の風土が〜」といった大きなテーマに沿った今までの協業・協力体制ではない。もっと泥臭い、市町村の公共施設や地元資本へ参加者を誘導するかたちの企画・展示がずいぶん目立つ。
今まで全国各地の芸術祭を巡ってきた経験からすれば、過剰な「地元誘導」はイベントの質を下げる。企画内容から交通の便まで、あらゆる部分に悪影響が現れる。瀬戸内国際芸術祭の成功はその辺りの塩梅が「大都会のクオリティ」寄りだったことだと自分は考えている。だからちょっとだけ心配。杞憂であれば良いのだが*3

さて明日もお仕事。しかも朝が早い。
というわけで寝ます。おやすみなさい。

 

瀬戸内国際芸術祭2019 公式ガイドブック

瀬戸内国際芸術祭2019 公式ガイドブック

 

 

お題「行きたい場所」

今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」

 

 

 

 

 

 

 

*1:職場および取引先

*2:ぱっと見たところ怖いが、構造からすると「かずら&ワイヤーロープ橋」なので足下さえ見ていれば大丈夫。

*3:この件、自分が四国に住み始めたからこそ感じる“地方都市の臭み”が影響しているのかもしれない。「儲かるのは宿泊施設とベネッセだけ」と公言する人が市や県の議員や地元企業のトップにいる土地だ。