雨と映画と高野豆腐

朝から雨。
なるほど瀬戸内海の気候だ。子供の頃に学んだことを実感する毎日である。知識はウィキペディアと図書館で補強したが、学校で教わらなかったらここまで鮮明な“違い”は見出せなかったと思う。ある種のお勉強には、そういう効能がある。

 

せとうちスタイル Vol.8

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そして今日は朝から昼過ぎまで取引先の事務所に詰めていた。
作業や確認や待機を事務所の隅で繰り返す。
時々、取引先の社長さんと雑談をする。

街に貼り出されている映画イベントのポスターについての話を聞かされた。僕も見たことがあるポスターで、サイコスリラーやホラーに限定したミニ映画祭といった内容。綺麗な顔をした幼女が怖い構図(包丁を持っていたり、手に血がついていたりする)で暗い場所に立っている。

そのポスターを剥がすべきだ、と社長は言うのである。
「とても気持ちが悪いし、最近の嫌な事件(児童虐待など)を思い起こさせて街を暗くする」とのこと。「映画祭には変な連中が集まるのだから、その日は街で何か悪いことが起きるであろう」とも。

自分としてはそうは思わない。
どう見ても「怖くて嫌な内容」にしたくてデザインされたもので、そりゃあ最初に見たらびっくりするかもしれないけれど、映画というものを知っていれば「これは一種のパロディやオマージュだ」とわかる。パロディやオマージュといった言葉や手法を知らない人でも「それっぽく仕立てたデザイン」とわかるだろう。

それにこのポスターは、街中に貼り出されているわけでもない。
映画館やライブハウスの前、サブカル風味のカフェ、街の文化振興的な掲示板に貼られているものだ。

そもそもこういう個人的な嫌悪感を社会正義というカタチで、しかも実在の痛ましい対象をネタにして表明しようと考えるのは、とても卑怯で失礼だと僕は考える。

だけどさすがに取引先の社長(年配の女性だ)の前でそんな事を言うわけにはいかない。「別にええやん見ることを強要されているわけでもないのだから」なんて言ったら、来月の依頼が来なくなってしまう。


だから阿呆なズレた返答で誤魔化した。
「映画祭に強制参加させられるなんて酷い話です」とか「ははあ、街では受け入れられない状況なんでしょうね」とか「会社のアカウントでSNSに問いかけてみましょうよ!」とか、いろいろ。
その度に「いや、そこまでは…」と否定されてしまう。

結局は彼女の“お気持ち”だけの話なのだ。だったらはじめからその気分だけを話題にすればいい。児童虐待で死んだ子供まで引き合いに出すのは不謹慎で趣味が悪い。

 

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でもまあ、小さな会社の個性豊かな社長さん達と雑談ができるのは、なかなかに面白い経験となっている。工場で効率を追求するのも楽しかったけれど、今の仕事もわりと楽しい。ただし機械よりも人間のほうが(今のところ)複雑なので、予想を超えた「うへえ」となる話や依頼が飛び出てくるのは困ったものだが。

 

朝から他社に赴く時はお弁当を作らない。
出先で食事をご馳走になることも多いので。
今日は昼頃には帰社できたので、職場の近くでお弁当を買った。いつもの自然食と手作り食品のお店。

https://www.instagram.com/p/BuDuN6RgqXi/

鶏の唐揚げには黒酢っぽいソース、卵焼きは大きめ。白菜と柚子の浅漬けに、大根とジャガイモの煮物、それからワカメと高野豆腐の煮物。

これにサラダとごはんが付く。
僕はご飯を少なめにしてもらうが、普通の量ならばほとんどの男の人が満足できると思う。おかずがしっかりしていると、満足感が違う。

 

 

お題「どうしても言いたい!」

 

 

 

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