大好きな場所ができました

出張かつ引っ越し準備、という変な四国滞在の2日目。
もちろん仕事をしていたが、午後からは私用の時間も貰えたので、宿の近くにある「栗林公園」へ行ってみた。

以前、観光で訪れた時にも立ち寄った。
ただし瀬戸内国際芸術祭が目的の旅だったから、それほどじっくり歩いたわけではない。その時も宿の近くで、夕食前の散策といった気分だった。
「なるほど素晴らしい。たいしたものだ」と思っただけ。素敵な場所だが、元より日本庭園にそれほど興味があるわけではないのだ。

 

しかし今日、じっくり歩いてみたら、これがもう楽しくて心地よくて、すっかり気に入ってしまったのだった。年間パスポートとか、無いのかしらん。

庭の素晴らしさは誰もが書いているから割愛する。
しっかりと手が入っているが、緊張感というよりのんびり散策ができる良い塩梅のお庭が延々と続く。いわゆる市民公園ほどフリーダムに遊ぶ人達はいないけれど、表示を読みながら難しい顔をして順路を進む必要もない。

 

見どころは多いが、「掬月亭」はぜひ訪れて欲しい。500円でお菓子とお抹茶が楽しめる。池に突き出した最高の眺めを独占できる。入場料の要る公園で、さらにお金を払うせいか、とても空いていて、特別観覧席の趣がある。
茶道では1杯目を飲んだ後に主人(もてなす側)が「もう一杯、いかがですか」と問う。自分の経験上、2杯めを所望する人はいない。でもこの場所ならば、2杯目を飲みたくなってしまう。もちろんお店なので、2杯目を薦めてはこないのだが(飲みたければ再注文すれば良いのだけれど、それもなんだか変なので我慢した)。

 

もう少しカジュアルな茶店としては「吹上亭」がおすすめできる。
ここの焼き団子が格別に美味しかった。
うす甘い大きな焼団子に、甘辛い味噌だれがかかっている。何か和風のスパイス(山椒?芥子?)がほんのり感じられて、観光地のおやつの水準を大きく超えている。ちょっとびっくりした。「桜だんご」と「草だんご」は餡が付く。こちらも美味しそう。

のんびり歩けば1時間は過ごせる。
気に入ったところを選んで巡ることで、自分の過ごしたい時間に合わせ調整もできるだろう。
それこそ四季折々、いろんな風景を眺めたい。
「これって文化だよなあ」なんて考えながら散策を楽しんだのだった。

こういう場所がこれから増えていくと思う。
三重県に住み始めた時は、2日目に「radi cafe apartment」というカフェに出会えた。今でも好きなお店。このradi cafeに入ってコーヒーとフレンチトーストを味わった時に、「この四日市でも、なんとか生活を楽しめると思う」という確信が生じたのだ。

goo.gl


アパートがあった場所が「あしたのジョー」とか「タイガーマスク」に登場するような薄汚い工業地帯の中だったし、引っ越しの買い出しで見た風景は田舎のロードサイド的なチェーン店とAeon系列のショッピングモールだったこともあり、正直なところ1日目には四日市という街に不安と失望があったのだ。
実際、RadiCafeを起点にして好きなお店や人間関係が広がっていって、その繋がりは今も生きている。

だから今日の栗林公園の心地よさは、なんというか、僕にとって”心強さ”を与えてくれたのだった。勇気とはちょっと違う、それに今後ストレスを栗林公園で帳消しにできるとも思えない、でも、住む土地に「掛け値なしの居心地が良い場所」があるということは、とても大切なことだと思う。

 

 

MOTHER 1+2

MOTHER 1+2

 
MOTHER2―ギーグの逆襲 (新潮文庫)

MOTHER2―ギーグの逆襲 (新潮文庫)

 

 

今週のお題「最近おいしかったもの」

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。