夜中の駅前、一万円札を崩す方法とは。 ──使い途の無い切符についての記録──

新幹線を使った出張では、駅の近くにある駐車場に車を置くことがほとんど。「直帰」の場合に使うのは小さなJRの駅で、帰宅する時刻(終電ではないもののわりと遅くなる)には周囲には飲み屋くらいしか開いているお店が無くなる。個人の旅行の時も、駅の近くにある有料駐車場を使う。

先ほどそんな状況で、駐車料金が払えなくなってしまった。
ゲート式の駐車場、一定以上の使用は一律料金。とても安い。千円以下だ。
この出口の支払機が、硬貨と千円札しか受け付けない。
僕の財布には一万円札と5千円札、そして駐車料金にわずかに足りない小銭のみ。

駅のロータリーにも駐車場の横にも、ジュースの自動販売機はある。
しかし自動販売機も受け付ける紙幣は千円札のみ。

わりと本気で困ってしまった。
以前はコンビニエンスストアがあったけれど今はソフトバンクのお店になっている。歩けばコンビニにも辿り着くだろうが、小雨でしかも疲れていて、できれば歩きたくない。
お酒の飲めるお店はあるけれど僕は酒が苦手で、もちろんそういうお店も苦手だ。地元の垢抜けない若者が集うハワイアン・バーに入り、ソフトドリンク(600円)を飲む?冗談じゃない。

 

ロータリーをうろうろしていると客待ちのタクシーが反応する。客でもないのに、なんだか悪い気がする。このタクシーの運転手にお願いすれば両替をしてくれるのだろうか。それはしかし身勝手過ぎるし、格好悪い。

 とにかくそんな感じで、途方に暮れていた。

 

とりあえず駅に戻ろう、と考える。
駅は屋根もあるし、高い位置にあるから近くにあるお店(1万円札を崩せるお店)が見つかるかもしれない。もしかしたら駅員さんが両替をしてくれるだろうか。今の時刻は誰もいないかもしれないけれど、とにかく駅前ロータリーでぼんやりしていても仕方がない。

疲れた脚を動かして階段を登っている時に、解決策を思いついた。

 

切符の券売機でいちばん安い切符を買えばいい。

 

そして実際、券売機は1万円札を受け付けた。
入場券を小児料金、70円。お釣りは9930円。

かくして不自然な時刻に不自然な切符の売り上げが発生した。
JR職員の誰かが、この不自然な記録を気づき、いつの間にか怪談へと変化したら素敵だと思う。夜中に入場券を買う子供の霊。

ともあれこうして、無事に駐車料金を小銭で支払うことができた。
さきほど帰宅した。
無駄にした時間は10分未満5分以上といったところか。

 

 

ずいぶん昔に、やはり夜のコインパーキングで同様の状況に陥った。あの時も駅前で、小さいながらもショッピングモール的なビルがある街だったが、でもお店が閉まった時刻に高額紙幣を使う場所が見つからなかった。少し歩いてコンビニに行った記憶がある。あの時はGoogleAmazonのポイントカードを買ったのだったか。飲みたくもないジュースなどを買うのも癪だったので。

 

 

 

これからの人生で、また同様の事態に遭遇するかもしれない。
でも大丈夫。
コインパーキングで小銭が無い場合、駅が近ければ入場券を小児料金で買う。これで解決*1
70円の出費は純粋な損失だけれど、時間と無駄な買い物を防ぐのならば許容範囲だと思う。

いま日記を書いているキーボードの前に、この70円の切符がある。
不注意の戒めとして、この使い途のない紙片は捨てずにしばらく置いたままにしておく。

 

 

 

*1:田舎なので駅の遠くには有料駐車場は存在しない。