金メダルと担々つけ麺

ようやく外を出歩ける程度の体調になった。
まだ体育は見学(比喩)だが油断は禁物、という程度。

友人夫婦の家に届け物をしたついでにお茶をいただく。
奥様(とても聡明な女性)が今日は何やらおかしい。目がきらきらとして、何かを話したがっている。

というわけで話を聞く。
彼女の話の7割は、羽生結弦氏の素晴らしさについて、だった。金メダリストという王者として、あるいは氷上を舞う精霊、時には乙女の心を魅了する魔物、プーさんがどうのこうの、云々。
夫と並んで座り、彼女の言葉に相づちを打つ。

「その通りでございます」
「自分もそう考えます」
「なるほど」
「異存ありません」
「よろしいかと思います」
「Yes.Ma'am.」
「それは良かったですね」
「ありがたいお話です」
「問題ありません」
「全面的に同意します」
「おっしゃる通りでございます」

最初は“茶々を入れる”つもりだった。が、病み上がりでもあるうえ、僕の中の獣が「ヤメロ!タタカウダメ!」と叫ぶため、今日は大人しく聞き役に徹する。

この夫婦も僕も、オリンピックなる馬鹿騒ぎにはどちらかというと冷淡なジョークで接する人間だった筈だ。今日のこれは、予想外な出来事といえる。
とはいえ、ともあれ目出度い事ではある。せっかくなのでその素晴らしさを念頭に置きながら、ちょうど上手い具合にTV番組で特集されていた彼の映像を鑑賞する。面白いもので、僕の目から見ても、羽生氏が普段の7割増しくらいにキラキラして見えてくる。

ちなみに会話の残り3割は、宇野選手と羽生選手との妄想込みのストーリィ。僕のここ数日の闘病については、まあ挨拶程度でした。
ちなみに冬期オリンピックでいちばん面白いのはカーリングだと思う。あれは見ていて楽しい。

 

 

 

 

その後、友人(夫)と共に辛いラーメンを食べに行く。
風邪が治ったのならばスパイシーなジャンクフードを食べるべきだ、というアドバイスを受けての行動。

静岡の流通通りにある小さなお店。
席は5つ。お婆さんがひとりで切り盛りしている。
独り暮らしの老人の家でたまに遭遇する不潔さが漂う。色々と衰えてくると清潔を維持できなくなってくるのだな、寂しいものだな、と思わせる、そういう類の汚さだ。
でもお店は人気だ。いかにもラーメン好きな若者が行列を作っていた。

僕も友人も、担々つけ麺を食べた。
担々麺が有名なお店で、つけ麺も有名。だから坦々つけ麺にしてみたのだ。
麺はとても多い。
濃い胡麻ペーストの味と、たっぷりの花椒(または山椒)がスープ全体を支配している。脂と塩もそれなりに濃いのだろうが、全体には胡麻&ぴりぴり味である。

美味しいとは思う。
ただしこのスープ、太くて固い麺をつけて延々と食べるのはなかなか辛い(つらい)。麺を25%ほどに減らし、根菜を蒸したものを付けながら食べたら延々と楽しめそう。蓮根でも大根でも人参でもいい。メークインや玉葱も美味しいだろう。

身体は温まった気がする。
それ以上に、口の中がひりひりする。辛さ(からさ)よりも山椒の刺激が残る、不思議なつけ麺だった。

不思議といえば、外で並んでいる時に、「ここが最後尾ですか?」と聞いてきた家族連れ(3名)がいた。そうだと答えたら「それじゃあ、先に入れてもらっていいですかね」と頼まれたのだが、あれは何だったのか。ちょうど中に入れるタイミングだったのでそこで会話が途切れたが、親子らしいが全員成人、病人でも老人でもない、なのにどうして譲らなければならないのか。
後で友人と議論したのだが、未だに結論が出ていない。

 

後はまあ、シャツを買ったり、部屋の片付けをしたり、ようやく週末らしいことができた、そんな日曜日でした。

お題「今日の出来事」

 

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