メディウムとレザーフィックス

 

寝坊と二度寝をしたら、ほとんど何もできないまま昼間が過ぎ去っていった。では夕刻から何かのスイッチが入っててきぱきと懸案を片付けていけたのか、というとこれがまるで駄目。日記には書きづらいタイプの土曜日だったといえる。

 

 

先ほどからぽちぽちとレザークラフトの下拵え的な作業を始めた。
一般に、革は縫う前に接着剤で貼り合わせて、その後に下穴を開けて、糸で縫う。
何で接着するのか、というのは流儀や用途で違ってくる。
素人がよく使うのは以下の2種か。

 

 


Gボンドという、いわゆるゴムや布に使える接着剤は、水にも強く、しかも手に入りやすい。僕が最初に買った初心者向けレザークラフトセットにも入っていた。
ただし、チューブから出す時にやや扱いづらい。特に開封して時間が経つと(きちんと保管していても)使いづらさが増す。粘性が高く糸を引きやすくなる感じ。使用方法(両面に塗り、乾くまで放置してから貼り合わせ、強く圧着する)も、思いつきで試作する時などは面倒に思えてくる。どうしても接着剤の貼り合わせ面が目立つのも難点といえるかもしれない。
僕は大きなカバンなど、外で使うもの、かつ頑丈さが求められるものにしか使わない。そして、ある程度使ったら、新品に切り替えてしまう。

 

 

 

 

レチックス 接着剤 50cc

レチックス 接着剤 50cc

 

 

初心者向けレザークラフトセットには、革専用のボンドも入っていた。
これは品質表示を見る限り、ほとんど木工用ボンドと同じ。だから今は、普通の木工用ボンドを使っている。黄色い容器のものが、ホームセンターでも100均でも売られている。

 

セメダイン 木工用接着剤 ポリ容器 50ml CA-224

セメダイン 木工用接着剤 ポリ容器 50ml CA-224

 
セメダイン 木工用接着剤 速乾 500g CA-235

セメダイン 木工用接着剤 速乾 500g CA-235

 

 

乾けばものすごく丈夫になる。最近は強粘着・速乾性のものもあり、試作などには有難い。

水に弱いこと、そして細いノズルから出して塗り拡げる手間だけがマイナスといえるが、僕は基本的にこれを常用している。

そして今日はこの木工用ボンドが空になってしまっていた。
歩けばお店はすぐ近くにあるが、雨のなか外出したくはない。

 

 

似た成分のものは無いか、と棚を漁ったら、マットメディウムが発掘された。
これは画材で、絵の具に混ぜるとツヤ消しになる。アクリル絵の具に使うのが本当の使い方で、ツヤのコントロールに加えて、定着力を維持したまま絵の具を薄めることができる*1便利な品だ。

大昔に購入して、ほぼ未開封で放置していた。

 

リキテックス アクリル絵具 リキテックス マットメディウム 300ml

リキテックス アクリル絵具 リキテックス マットメディウム 300ml

 

 

このメディウムは、成分がほぼ木工用ボンド。ややさらっとしていて、塗りやすさはボンドより良い。広口の容器も便利。

試しに革に使ってみたところ、しっかりとくっついた。
乾いた状態でツヤ消しというのも素晴らしい。はみ出るにしろ、切り口から塗面が見えるにしろ、接着剤の類は大抵がツヤを生じていて目立ってしまうのだ。

量もたっぷり。
革のマニュアル本にはまず載らない材料だが、これは良いものを見つけた。

 

 

 

 

本には載らない良いもの、といえば「レザーフィックス」という品も応用が利いて便利。

本来はレザークラフトに使う。ニスというか保護用ワックスみたいなもので、革の表面に塗る(刷毛が便利)と、透明な膜ができて、撥水と防汚効果がある。ムラになりやすく、ぎらっとしたツヤが嫌なので、僕は少し薄めて使うが、それでもしっかり効果がある。

これを、靴に塗ると、撥水スプレーの代わりになる。

きちんと手をかけて磨いた革靴の輝きや、しっかり手入れをしたブーツの落ち着いた艶に比べると、やはり見栄えは劣る。
どちらかといえば、あまり手を入れないで履く靴の、実用的なケアとしての活用法だろう。

 

僕は10年以上履いているビルケンシュトックの靴に使っている。
とにかくオイルを塗り込み、その他の手も入れたが、さすがにもう油がぎとぎとになるだけの状態から回復しようがない、いかにも古びたコンフォートシューズ。しかし履きやすさと服への合わせやすさで捨てられない。

 

 

駄目で元々と、試しにこのレザーフィックスを塗ってみたところ、なかなか良い仕上がりとなった。
鈍いツヤと、日常使いでは十分な撥水性。梅雨の前に施して、10月になってもまだ水を弾く。さすがに撥水スプレーのような、雨滴が玉のように落ちるほどの効果はないけれど、これなら十分だと思う。

というわけで、このレザーフィックスは、レザークラフトの作品にはあまり使わず(風合いが僕の好みではないので)、ほぼ靴と鞄の保護用となっている。
臭いが少なく刺激性もない、だから室内でも使える。僕はわりと皮膚が弱いほうだが、素手でも平気。
ちなみに布に塗っても使えるので(ただし色が少し濃くなる)、マウンテンパーカーやKankenのコーティングにもなる。洗濯をしない、ごわっとした生地向けだと思う。

このレザーフィックスに関しては、友人達に勧めたところ、ずいぶん好評の様子。安く、室内でも扱えて、長持ちする、というところが受けている。ごく狭い範囲でのみ流行しているため、静岡市東急ハンズでのみ、ごく僅かな売り上げの影響があるかもしれない。

 「艶消し」のレザーフィックスもあるようだが、まだ買ったことがない。次はたぶん艶消しを選ぶ。

SEIWA レザーフィックス 100g

SEIWA レザーフィックス 100g

 
SEIWA 艶消しレザーフィックス 100g

SEIWA 艶消しレザーフィックス 100g

 

 

 

今週のお題「休日の過ごし方」

 

*1:水で薄めると、どうしても塗膜が弱くなる

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