映画館にひとり。映画は『きみの声をとどけたい』。そしてコーヒーとデーツ・プディング。


【映画 予告編】 きみの声をとどけたい

 

映画『きみの声をとどけたい』を観てきた。
あまり話題になっていないようだが、僕は良作だと思う。観ればきっと楽しめる。
まるでよくできた30秒CM(公共広告機構が作るような爽やかで道徳的なもの)を長編映画に引き延ばしたような作品なのだが、じゃあ退屈かというと、きちんと上質なアニメ映画になっているのだから、観なければ損だと思う。

 

映画『きみの声をとどけたい』オリジナルサウンドトラック

映画『きみの声をとどけたい』オリジナルサウンドトラック

 

 

映画の内容も何も知らずに、時間の都合で選んだ作品だった。でも思いがけずキャラクター原案が青木俊直氏でびっくり。氏の絵柄そのままで絵が動くのはなんだか面白いし嬉しい。ただし、どういうわけか喋らないキャラクターをほとんど動かさない作品だったこともあり、あっさりした絵柄と、きっちり書き込んだ背景とのギャップは気になってしまった。まるで背景画に氏の手書きイラストを貼り付けたような感じなのだ。
しかしこの絵柄というか塗り方、例えば志村貴子さんの絵が好きな人には嬉しいのではないか。
鼻筋すら省略するあっさりして可愛い絵柄だからこそ、の作品だとも思う。これ、実写映画だったら、きっと違うものになっている。

この映画の“肝”である「言霊」について、ああいう表現はどうかなー、と個人的には思う。主人公が「言霊」を連呼するのも、その言霊なるものが劇中の如く作用するのも、ファンタジックな趣きよりはオカルトじみた薄っぺらさを感じてしまう。メインキャラクターがどんどん増えて、物語上の障壁・課題も多数あるせいで、なんだか散漫な印象もある。登場人物の増加は、なんとなく若手声優売り出し企画のニオイもするが、その辺は詳しくないからよくわからない。

そんなわけで、難もあるし、つっこみどころもある。
こう言ってはあれだが、ストーリー自体は最初から最後まで予定通り。
それでもきちんと飽きさせずに最後まで観ることができたのだから、やっぱり良作なのだ。王道の青春もの。こういう真っ直ぐなお話もいいですね。
僕はうるうるしました。

 

ずんだ

ずんだ

 
えほうマキ

えほうマキ

 

 

 

しかし、である。
平日の昼間、映画館には僕ひとり。
人生で「上映中ひとりぼっち」は3回目。「知らない人とふたりきり」なら、もう少しある。
残念なことに、ひとりなら思う存分感動できるか、というとこれが無理なのだ。理由は上手く説明できないが、変な緊張をしてしまう。上映技師さんの目が気になるのだろうか。
たぶん数人でも数十人でも、ちょっとしたざわめき、静かな反応も込みで、映画鑑賞なのだと思う。せめて主要な登場人物よりも観客がいないと、多勢に無勢である。

 

映画のあとは、隣のオーストラリア・カフェでコーヒーを飲んだ。
といってもショートブラックやロングブラックではなくて、普通のフレンチプレス式のコーヒーを選ぶ。
この店はコーヒーも美味しいけれども、定番のケーキもコーヒーを楽しむためには欠かせない。
得にデーツ入りのプディングは、何度食べても美味しい。温めて供される茶色い品。昔と少し味が変わったような気がするけれど(今日のものは、天然酵母パンみたいだった)、糖蜜のようなコクは他に無い味で、やはり良い。

 

オーストラリアン(ティー) 25TB

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