異世界の人と出会う

仕事の後に、知人と待ち合わせをして夕食を食べることになった。
僕が先にお店に到着して、席が空くまで少し入り口で待つことに。なんだか休日のファミレスみたいだな、と思いながらも携帯電話を眺めつつ待つ。

しばらくしたら、知らない人達が店に入ってきた。
そして、第一駐車場が満車であることを店に告げ、第二駐車場(少し離れたところにある)の存在を教えられる。そういえば僕が第一駐車場に入った時点で、空きが無かったのだった。

その知らない人達、年配の夫婦とその息子夫婦、といった人のうち、家長らしきおじさんが声をかけてくる。

「お前は1人で来ているだろ?だから、第一駐車場から第二駐車場に移ってくれ」そして「また全員を車に乗せ、第二駐車場を探して停めて、歩くのは嫌だ」と言うのだ。

まあ、正直な要求だとは思う。
しかしどうして、1人だと駐車場を譲らなければならないのか。
隣で聞いていた店員さんが「当店では、お先に停めたかた優先とさせていただいておりますので」と言ってくれる。本来はそんなルールは無いだろう。しかしルールブックに載っていなくとも、譲る理屈は存在しない。

ちょっと怖かったのが、その時に後ろにいた彼ら家族全員が、「そうだ。パパァの言うことがもっともだ」「このまま路駐していたらみんなが迷惑する」「外は暑い」と、まるで僕が譲るのが最適解かのように振る舞っていたこと。
何がパパァだよ、路駐しているのか無茶苦茶だな、とも思ったのだけれど、相手はイヌのイラストが刺繍されたスウェット・シャツを着ているような人達だったから、怖くて言えない。奥さんは「Excellent Days!」とプリントされたTシャツを着ていた。息子夫婦は「海人」とか「熊出没注意」のTシャツ。お子様はディズニー柄の魚河岸シャツ。なんといいますか、静岡県における田舎のヤンキーの典型みたいな人達。
しかし真に怖いのは、こういう世間ズレを、家族全員で共有している事だった。はっきり言って、その風体よりも、何倍も怖い。

さあどうしよう、もめ事になったら嫌だなあ、と考えながら「悪いけれど、車を動かすつもりはない」と伝えたあたりで、店主さんが登場して、彼らには退店してもらうことに。

なにしろ車を店の前の道路に停めたままで平気な人達である(交通量が多く狭い道だったため、自主的な交互通行が発生していた)。店側としてもトラブルの臭いを感じ、嫌がったのだと推測する。
店主さんは同時にコックさんでもあるため、手に大きな二股のフォークを持っていた。もしかしたら、あれは武器だったのかもしれない。

 

友人と食事中に、彼らの話をした。
おそらくは異世界から転送されてきた異世界人だったのではないか、ということで結論。その世界では、大人数の客がそうでない人にわがままを言うのが当たり前なのだ、きっと。

 

食事は普通に美味しいハンバーグでした。
オーソドックスな洋食屋のハンバーグ、なのに黒胡椒が効いていて珍しい。ちなみに写真は撮り忘れた。

この写真は、スマホのマクロ機能を試したもの。
なるほど汚い。