海沿いのカレー店と白いピアノ

今日は出勤したものの、仕事量はとても控えめ。
自分の仕事は、いわゆる下拵え的な作業から数日置いて本格的に始まり、しかも作り溜めができないため、連休明けは、どうしてものんびりした状況になってしまう(企業の研究所です)。
それでも確か「5月8日に出勤したら、あれとこれを片付けよう」と決めて、つまりえいやっと諸々を先送りにしてゴールデンウィークを迎えたはずだが、すっかり忘れてしまった。それで(今のところ)支障が無いのだから、世の中とは上手く出来たものである。

 

というわけで、午後は休暇をもらった。
ちょうどいくつかの用事があって(銀行、郵便局、友人からの相談事)、半休を使うに値する日ではあったのだ。それに、休める時に休むのが身体には良い。特に今日はそうでなくとも疲れやすいのだから。

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そんな半休のお昼は、静岡市の海沿いにあるカレー店で食べた。
昔からよく通る道から見えるお店。気にはなっていたが行ったことが無い。たぶん静岡県中部に住んでいれば、あそこかー、と通じる人も多いのではないか。
店名は「カレーハウス JIB」という。
裏手は松林、その先はたぶん海。大浜街道を海に向かって走り、左折して国道150号線を少し進んだあたりで、右手の川の向こう側に見えるお店。

個人の経営するカレー店である。
だいたいどんなものか想像できるし、カレー店のカレーならまず間違い無いだろうと目論んで、つまり安直な思い込みで入ってみたわけだが、その先入観を打ち砕かれた店だった。

まず広い。
おばさまが集う紅茶専門店みたいな雰囲気。薔薇園が隣接していそう。日本人形が唐突に置かれていたりと、ちょっと垢抜けない感じはするものの、でも全体的には小綺麗で、個人のお店としては手入れが行き届いている。
欧米のお金持ちの家にあるようなスペースを取るあの螺旋型階段もあった。

そして、白いピアノが鎮座している。
日本広しといえども、白いピアノが置いてあるカレー店は珍しいのではないか。隣にギターが2本、立てかけてある。

どうやら夜はライブも行うカフェバー的な運用が為されている様子。そういう告知やポスターも貼られていた。

ではメニューはどうか、と見てみると、これが普通のカレー屋なのだ。
ランチセットは3種類から選ぶ。牛肉とたまごのカレー、豚肉と野菜のカレー、そして茄子とチーズのカレーそれぞれに、サラダと飲み物が付いて900円くらい。
暖炉がありそうな店なのに、辛さが7段階くらい選べる。
僕は茄子とチーズのカレーを注文した(辛さ5)。茄子は苦手で、子供の頃はそれが理由で家出までしたのだが、平常心を乱されたせいか、つい注文してしまった。

そしてこのカレーが、滅法美味しいのだ。
ほどよく上品、でもカレーだからきちんとカジュアルな味わい、あれこれ複雑な仕掛けは無さそうだけれど、家では作り難い味。食べて良かった、と思う。
最初にテーブルに届くサラダも、なんとなく豪華。
普通のグリーンサラダと野菜スティックに加え、オレンジやバナナやメロン(!)が添えられている。量だってたっぷりある。

今日は注文しなかったけれど、数百円の追加で頼める「デザート盛り合わせ」も、かなり華麗にフリーダムらしい。

まったくどういう店なのか。
パスタとサラダと白身魚のグリルと軽いデザートで、ちょっと贅沢なランチを出しても通用しそうな店と雰囲気なのに、どうしてカレーなのだろう。
まあ、美味しかったから良かったものの、なんとなく気になる。
外観は普通のカレー店、看板だってそう。でも、店内がおばさまエレガンスに溢れている。面白いし、味は間違い無く素晴らしいので、興味のある人は是非立ち寄ってほしい。
夜はもう少し高い価格帯となる。でも、かなり贅沢なカレーになるようなので、次はそれを食べてみたい。カウボーイ・ステーキ・カレーとか、気になるじゃないですか。

 

 


そういえばこの「JIB」という屋号、静岡県のあちこちで遭遇している気がする。検索すると東部にもいくつか。謎は尽きない。

 

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