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手作りかばんができた!

プロジェクト「ぶきっちょさんのかばん作り」が終了した。
これは

  • 縫わない
  • 接着しない
  • 目測と現物合わせ

という方針で、革のかばんを制作する、というもの。春の初めに思いついて、この連休に片付けるつもりで準備を進めていた。

結果としては、満足いく仕上がりとなった。
明日から使い始め、そして微調整をしていく。

なにしろ縫わないため、分解と調整、それから構造変更も可能な設計となっている。基本的にほぼ全てのパーツが交換可能だ。

といっても、手間暇を考えると、しばらくはこのまま使い続けると思う。手を入れられればいくらでも、というのはそれはそれで面倒なのだ。

それに、作業時間はそれほどでもなかったが、やはり仮組みと検討を繰り返す作業は、楽しいながらも無駄が多い。素直に縫えば、考える時間はずいぶん減っていただろうし、ホームセンターを往復する時間も節約できた。

とはいえ今回のプロジェクトというか工作は、この「新規手法探索」を楽しむものである。従来方法をあえて避け、手よりも頭を使うのが目的。
だからこそ、今さらまた分解して修正して再組み立て、という頭をあまり使わない作業は、しばらくは避けたい気分なのだ。

 

 

さて実際の作業は、こんな感じ。

まずヌメ革を型で成形する。
これはインターネットで調べた方法を自身で改良した。雑でもきちんと形になるのが良いところ。こうしてクラムシェル形にすることで、接合部分を大幅に減らすことができる。
ちなみに型はステンレスのバットを使用した。凸凹はペーパータオルで埋め、その上からテープとサランラップで巻いておく。濡らした革をぐっと押し当て、外枠として細い角材とクリップで締め込んでいく。一晩置いて乾燥させて完成。
今回は革のサイズに余裕が無かったために、作業の難易度が上がってしまったし、仕上がりも悪いが、きちん と切り落とす部分を計算して裁断すれば、もっと楽にできたと思う。

なぜかムラになって変色する革と、そうでない革が。
今回は格安の革を通販で買った。届いた時はわからなかったが、日焼けさせると品質にばらつきが。でも別に気にしていない。ヌメ革だから、いつか気にならなくなるだろう。
革の価格は4500円くらいか。ネジその他は1000円。材料費全てで6000円以下だった。

そしてインナーフレーム。
ABS樹脂製。実はホームセンターで見つけたモール材。たぶん床や壁に貼って使う、木目模様の薄板。
幅といい材質といい、今回の目的にぴったりだった。
加工性が良くて、割れずに、そしてとても丈夫で軽い。加えて熱湯で曲げ加工ができたことが、実に素晴らしい。
アルミや木材を曲げるつもりだったし、それが上手く行かなかったら3Dプリント業者に外注する覚悟もしていたから、これは僥倖だったといえる。450円で買えたのも、嬉しい。

 

フレームと前後の革パネルを組み合わせて、全体を低頭ネジで締めていく。この接合方法を色々と試すのに時間がかかってしまった。
ああ、縫うほうがなんぼか楽だな…、と思いながらの試行錯誤だったのを覚えている。ただフレームも革パネルもかなり冗長性を持たせた設計にしてあるため、縫製と違って間違っても戻せるし見た目にも影響しない。
継ぎ目や革の端が表に出ないこと、が設計とデザインの目標地点。
最後に全体をぐるっと帯状の革でカバーして、本体は完成。
ちなみにこの時点で、ストラップやかぶせは何も考えていなかった。こういういい加減さも、普通のレザークラフトとは違う。

 

あれこれ試行錯誤してもきりがない、とこの時点で一念発起して、つまり夜更かししてストラップその他を制作、取り付ける。
今日はまだ付けていないが、肩パッドも作ってある。

とりあえず完成。革の色合いにムラがあるのは、ある程度組み上がった時点で天日に晒し、そこに翌日また部品を組み付け、といった手順を踏んだため。革自体は同じ店の同じ品(ただし2枚から裁断)だから、いずれ似た色合いになると期待している。晴れた日に2日くらい、車に放置しておくと、‘かぶせ’部分くらいの白いヌメ革が、胴くらいの色合いに変わる。
ストラップ部分の接合はアルミリベットを採用。

お手本になったデザインがある。祖父の持っていた趣味用のかばん。
双眼鏡や地図が収まるもので、ミリタリー風にも、専門職の備品風にも見えた。なんとなくそのテイスト、高級品ではないけれどしっかりしていて飾り気が無い、を目指した。
ちなみにこちらが前面。物を出し入れする側が内側。
漫画に出てくる、ぽてっとしてシンプルなかたち、も目指すところではあった。

 

 

一応、日帰り旅を主要な使用状況として想定している。
日々のお出かけにも使うだろう。ただし買い物には、やや容量が足りない。
大きめのバッグインバッグ(ホームセンターカインズの品。そもそもそれが入る大きさを目安にしたのだった)がぴったり納まり、さらに薄い雑誌が1冊、タオルやハンカチ、折りたたみ傘、もちろん財布が入るサイズ。バッグインバッグには定番の電気製品、つまりスマホとカメラと電子書籍リーダー、必要ならばタブレット、それらの充電用バッテリーを入れて余裕がある。頑張ればペットボトルも入るかもしれない。

薄めの革と成型方法のおかげか、想定よりも軽くできた。手持ちの、もっと小さな革かばんよりも軽い。ネジから縫製に変更すれば、さらに軽くなると思う。ネジは自転車と同サイズにして、出先でのメンテナンスに対応している。

あとは色が落ち着くのを待つだけ。オイルなどは後日塗る。
ほぼ目的通りのかばんが手に入ったことはもちろん収穫だが、さらに様々な手法を学べたことが、今後に繋がるのではないだろうか。
さきほど友人に会った時に「自分にもひとつ作って欲しい」と注文を受けた。次はもっと省力化して、高品質なものが出来ると思う。ただ、そうなると単なる「作業」なので、しばらくは手をつけない。
ホビーとしての「開発プロジェクト」は、とても楽しいものでした。

 

 

ポケットに静岡百景

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ILC/TOHOKU

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