鶏肉のカシューナッツ炒め

鶏肉のカシューナッツ炒めを食べたくなった。
1年に2回くらいは、そういう気分になる。材料さえ揃えればまず失敗の無い料理だが(本格的に作るには油通しが必要だが、そこまでしなくても美味しい)、今日は仕事も遅くなってしまったし、帰宅しても夕食の用意もないため、外食で済ませることにした。

 

 

職場で聞いた、美味しいと評判の中華料理店に行く。
地元の人達が薦めるだけあって、なかなか混んでいる。でも、近所のお年寄りが餃子や炒め物をつまみ代わりにビールを飲んでいるような雰囲気で、食べ物が美味しくて繁盛している、といった感じはしない。

とはいえ、きちんと鶏肉のカシューナッツ炒めもメニューにあって、定食屋のような見た目とは違いいかにも中華料理店。
その鶏肉のカシューナッツ炒めと、ごはんとスープとサラダのセットを注文しようとしたところ、同じ価格で鶏の唐揚げもつくセットを薦められたので、そちらに切り替える。なんだかよくわからないが、そういうことなのである。
スープを豚骨ラーメン(小)に変えることもできる。これは50円の追加料金となるが、この店ではそれが当たり前らしく、僕もその提案に乗ることにした。
たぶん食べ過ぎて残してしまうだろう、と予想して、ごはんは少なめにしてもらった。

 

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唐揚げに時間がかかるからこれを食べていてね、とまずは焼豚の切れ端と胡麻油で和えたネギの小皿がサービスされる。お酒も飲まないのに“つきだし”みたいな感じ。次にたくあんと揚げたワンタンの皮。ごめんね最初に置かせてねー、と杏仁豆腐も。どれが無料なのか、セットメニューに含まれているのか、だんだんわからなくなってくる。

鶏肉のカシューナッツ炒めは、きちんと美味しい。
ピーマンは苦手な野菜だけれど、この料理ではあまり気にならない。いや、無ければ嬉しいかもしれないが、毛嫌いするものでもない。
鶏肉のカシューナッツ炒め、とメニューにはあるけれど、正確には鶏肉とカシューナッツ炒め、だよなあ、なんてことを食べながら思った。

ごはんは、少なめにしては多い。でも食べてしまう。
途中で豚骨ラーメン(小)がやってくる。小サイズといっても、高級なお蕎麦屋さんのざるそば位の量はあると思う。
さらに鶏の唐揚げ。ファミリーマートのレジ横で売っていそうなサイズのものが3枚。メニュー写真には無かったロースハムが2枚、ぺろんと添えてある(唐揚げにハムか…としばし眺める)。ガラス瓶に入った「塩漬けのラッキョウ」という品も「どうぞ」と置かれる。

どれも味は良い。が、いささか満腹であり、後半はわりと頑張って食べる羽目になった。
職場で話題になった際には量の事が話題にはならなかった。でも、見ていると周囲の客も何かしらの増量や追加を受けていて、注文する際にそれを先読みしている可能性がある。お年寄り夫婦の席に「これも食べなー」と餃子が届けられていたし、それを普通に「ありがとう」と食べていたから、基本的に胃が丈夫な人向けのお店なのかもしれない。
この店の厨房で作られる品の2割くらいは、注文外のサービスだと推測する。

祖父母の家が中華料理店で、孫として訪れたみたいな気分になってくる。

 

そして「少なめに」と伝えたごはん、その減量分は、なんと、おにぎりになって会計の際に渡された。若いんだから朝は忙しくても食べなさいよ、と励まされてしまった。若くないし、朝はきちんと食べているのだが、もちろんありがたくいただく。

この前の金沢旅行の際にも学生と間違われて料理をたくさんいただいてしまったが、どこかそういう、食べ物を与えたくなる貧乏学生のオーラが漂っているのだろうか。今のところケーキ屋ではそういう状況に遭遇していないのだが、いずれ誰かが恵んでくれるかもしれない。見た目は栄養過多だと思うのだけれど。

 

店名は、忘れた。
職場で場所だけ聞いて、ああそういえばありますねえ、と車で寄ったから、店の名前が記憶に残っていない。
まずはたくさん食べさせる、というコンセプトが明確かつ徹底していて、気持ちが良い。味も良かったし、価格もずいぶん安い(そしてオマケが多い)。
また近いうちに行きたい、とは思わないけれど、なにか中華料理に対する飢餓感が生じたら、第一選択として挙がる店だと思う。

 

 

 

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