唐辛子汁、胡椒汁。

かなり風邪に近い何かを患っている。
病院に行く程ではない。薬だって飲む必要は無さそうだ。でも、放置すると風邪になるし、今だって咳と喉の腫れを感じ続けている。

 

というわけで、唐辛子の澄まし汁を作った。
これは何かの本で読んだ、確か岐阜県の郷土料理。法事の類で出されるのだったか。名前は忘れた。僕の中では「胡椒汁」と呼んでいる。

作り方は簡単。鰹出汁をとる際に唐辛子の輪切りを加え、辛みを煮出す。唐辛子を取り出し、醤油で味付けしたら、賽の目に切った豆腐を入れ、温めて完成。
あえて具沢山にしないあたりが、こういう料理の良さだと思う。
じんわり辛くて、季節を問わず美味しい。しかし美味しいから食べるものというより、気が向いてたまに作るのが良い、と僕は思っている。
生姜たっぷり、とか、ネギとか酒粕とか、そういう薬効じみたものは期待できないけれど、“きちんとした汁物”もまた、身体の不安には効果がある、そんな気がする。例えるならば、体調が悪くても、部屋が片付いているだけで安心できるような、精神的効能。

ちなみに今日はお土産の駅弁があったので、こういう一品だけでも様になるわけで、手抜きの夕食だったことは否めない。

 

和食で汁で辛い、といえば三重県北勢地方の「胡椒汁」が記憶に残っている。これはやはり不祝儀の場でいただいた。
根菜と青菜を控えめに使った普通の澄まし汁なのだが、胡椒がたっぷり入っている。お椀の底に沈んでいるのが見えるくらいの量。山椒にしては辛いし風味が違うし、どこかしら醤油ラーメンの趣きがあるなあ、と思っていたら、胡椒だった。薄い醤油味であっても、胡椒が入るとラーメンを感じてしまうのはなぜだろう(うどん等で試すと面白いです)。

最近では珍しい、一族と周囲の家々が総出で準備をするお葬式だった。亡くなった人の思い出もあって、この胡椒汁はあえて作る気がしない。
でも澄まし汁を作った時に、なんとなく胡椒を振りたくなる時があるから困る。美味いか不味いかといったら、とても美味しかったので。

胡椒は味噌汁にも美味しい。赤だし味噌とトマトの味噌汁に胡椒を振ったものを奈良の山奥で食べた。完全に和食、静かな味でした。

 

三重のスロー食堂〈2〉 (PASTONAGI)

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三重のスロー食堂―NAGIがセレクトした食事どころ82店 (PASTO NAGI)
 

 

 

 

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