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満腹の正月三日目

特に遠出もせず、未だに初詣もしていない。読書だけが進む。
明後日から出勤ということで、そろそろ夜更かしを是正しなければならない。といいつつ、今日も寝坊した。九時過ぎに起床して、おせち料理と雑煮(餅1つ)を食べると、昼食の時刻になってもお腹が空かない。でも、十四時過ぎに何か食べたくなってしまう。

 

今日は、そのタイミングで、古い友人から呼び出された。
概ね1年に1回くらいは会っている、と思う。中学生の時に塾で出会い、色々あって疎遠になり、成人してからまた連絡を取り合うようになった友人。趣味も考え方も性別も境遇もまるで違う。もはや話すことは近況報告のみ。でも会う。そういう間柄。

気の利いたお店はどこも閉店中で、かといってチェーン店は混雑している。昼食と会話が可能な店が、まるで無い。
やっと見つけた店は、チェーン店のような個人店のような、よくあるインドカレーのお店。居抜きの物件、インド国旗風の色合い、セットメニュー。なるほどインド料理店は正月も営業するのか。盲点であった。

マトンカレーとナンと、タンドリーチキンとサラダのセットを注文。タンドリーチキンはハーフサイズ、ナンはチーズナンに変えてもらった。食後の飲み物はチャイ。

カレーは美味しい。でもちょっと量が多い。お椀みたいな容器ではなくて、普通の「カレー皿」みたいなものになみなみと入っている。勢い、カレーが余る。

ナンのおわかりが可能とのことで、1枚注文。
僕「小さめに…(手振りでサイズを示す)」
店員「オーケーでーす。ハーフにするネー」
とのやりとりがあったのに、普通サイズの、でろんとしたナンがやってきた。
あれー小さくて良かったのにー、と顔に出ていたのだろう。店員さんが察して、「ごめんねー」と一旦奥に下げる。そして、半分にカットしたナンと、薄く蜂蜜を塗った(もう半分の)ナンがテーブルにやってきた。

まさか蜂蜜を塗ったナンを「いらない。満腹だから」と残すわけにはいかない。日印戦争になりそうな予感がする。友人は面白そうに観察している。

迷っているとカレーが冷めてしまう。だから、食べる。
チーズが入っていない普通のナンだから、見た目よりは軽い。特にこの店のものは薄い。だから、きちんと食べきることができた。

蜂蜜が塗ってあるほうも、カレーに付けたり、あるいはそのままで食べた。ごく薄く塗ってあるだけ、な筈なのに変化があって、結局最後まで食べきってしまった。

店は3時前だというのに、とても混雑していた。
あまりインドカレーに興味が無いような感じの注文(サイドメニュー的な『カレーライス』を全員が注文する家族とか)が続き、店が混乱していたのだと思う。チャイの代わりにラッシーが来たし、「良かったらドゾー」と、マンゴーラッシーも来た。友人と思わず笑ってしまう。さらに、見た目も匂いも「lush」に売っていそうなインド式落雁みたいなお菓子もいただいて、その甘い甘い薔薇とカルダモン風味な塊を囓りながらラッシーを飲んでいると、気分は大昔の「アジアン輸入雑貨全盛期の吉祥寺」みたいである。
思えた遠くに来たものだ、と変な感慨を抱く。

 

満足したが、しかしお腹がいっぱい。
友人からお土産に羊羹を貰ったが、今日はさすがに食べられない。
夕食は質素に、白菜とほうれん草と桜エビの鍋にした。
それでも今も、お腹が苦しい。こんな筈じゃなかったと、少し後悔している。そういえば、こういう連休に友人と会って、お茶もケーキも無かったなんて、10年に1度の出来事ではないか。
今年の正月は、地味かつ妙、という事で総括できてしまう。うん、普通じゃない。とりあえず早く寝る。それでもう、おしまい。