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何も言わないのと同じこと

仕事 言葉

もはや仕事納め気分の木曜日。
僕の仕事に関しては、大がかりな設備は数日間かけて停止させて年越しをするため、来週は細々した仕事ばかり。そして、年末に大掃除をする職場でもあるので、今日から既にお片付けモードだった。

そんな朝に、同じ敷地の別の建物で労働災害が発生したとの知らせが。幸い、命に関わるものではなかったが、でもとにかく久しぶりの、労災らしい労災。つまり、ただの不注意の交通事故とか、雑なルール違反で軽傷といった当事者以外はどうしようもないお話ではなくて、おそらく何かしらの“全社あげての横展開”が発生する類の、そんな事故だったようだ。

とりあえず、まずは真面目に対応したい。僕だって怪我はしたくないし、治せる不具合は何であれ先回りして修正したい。いちおう第一種安全衛生管理者でもあるので(今の勤め先では役に立っていない)、その辺りの真面目さは(普段の言動よりも)持ち合わせている。

 

でも、今日の会議で聞いた管理職氏の言葉は、ちょっと承服しかねる。
「今年の後半は、全国の事業所で立て続けに労災が発生した。そして、今日もまた怪我人が出た。だから、今後は、絶対に労災を起こさぬように」

これ、言いたい気分はわかる。
でも、言ったら恥ずかしい。責任者はもっと論理的であるべきだ。
だって、ここ最近に、全国の支店や営業所や事業所や関連企業で発生した労働災害に、特に繋がりは無いのだから。そういう意味では、“立て続け”ではない。日本全国(と海外の拠点)で起こった事故をまとめてしまうのは、ずいぶん雑だと思う。

つまりは「気持ちを引き締めろ」と言いたいのだと思う。
しかし多くのトラブルがそうであるように、多くの事象をひとつの箱に放り込んで、ラベルを貼ってしまうことに益は無い。
それは単に、精神論だ。
精神論が有効なのは、精神力の低下が観測された時だけであり、そうでない場合の掛け声に何の効能があろうか。

確かに、皆が常に高い安全意識を保っていれば、ほとんどの事故は防げるのかもしれない。だけど、「安全意識」なんて言葉、万能に過ぎる。そして、万能な言葉のほとんどは、何も言わないのと大して変わりは無いのだ。「愛は地球を救う」みたいなものだ。

というわけで、対策を挙げよと会議では命じられ、先ほどまで粛々と職場全員の「ぼくたちわたしたちがこれから気をつけたいこと」をまとめていた。メールで回ってきた、罫線を駆使した、いわゆる「ネ申Excel」に入力。手書き用書類風に点線で横罫が引かれた様式が美しくないため、その辺りは「当たり前のExcel作法」に則って編集。汚いファイルを放置すると、またいつか誰かを疲弊させる。その鎖は断ち切らねば。
そんな徒労感の強い残業を済ませて、ようやく帰宅。
とりあえず三連休。ありがとう天皇陛下!良いタイミングの誕生日だ。明日は映画館に行きます。