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富士山がぱきっと綺麗だった金曜日と、パソコンの基本操作と、写メという言い方について。

ポケットに静岡百景

寒くなって、いかにも冬が到来した感じがする。
ちょっと前まで、雨が降れば気温も湿度も高かった。ここ数日、雨でも室内は乾いた感じで、晴れても寒い。
県外では雪がふったと聞く。静岡県中部の平野部は滅多に雪なんて降らないが、遠くの山々の雪化粧で季節の変化を実感する。
そして今日は、いちばんよく見える“遠くの山”である富士山が、実に美しく雪を纏っていた。朝など、日差しの加減で陰影が際立ち、こう言っては悪いが「CGみたい」だった。

 

ポケットに静岡百景

ポケットに静岡百景

 
静岡百景

静岡百景

 

 

 

さてそれとは関係無く、来週から新人さんにパソコン仕事を教えることになった。これは秘密の業務であり、新人さん本人には伏せられている。

上司に言われた。「パソコンを使った仕事が特別に遅い新人さんがいる。他の人がカバーできない状況。しかし明確に指摘すると、突発的に辞めてしまいそうだ。
今、それは困る。
だから君が、まるで仕事の合間のアドバイスみたいな感じに教育をして、1ヶ月でそれなりのレベルにせよ。
がんばれ。見守っているよ」

有難いお話である。特に支援も調整も無しで、このややこしそうな問題を孕んでいるであろう新人さん(といっても、もう数ヶ月は働いている)の技術底上げをするのか。教育手当、みたいなものが欲しいところ。

とりあえず今日はその新人さんの“パソコン仕事っぷり”を観察した。周囲の人達にも「どんな感じか。どういうところが足りないか」を聞いてみる。

単に遅い、という意見が多い。遅いことを気にしない。なるほど曖昧だ。
ちょっと気になるのが、「ファイル名が無頓着」との指摘。特に新人さんや、パソコンに詳しくない人は、“原本”のファイルを編集して、指定した場所にわかりやすい名前で保存する業務が多い。それを“原本”と同じ名前にする、というのだ。
本人と雑談していて、なんとなくその理由がわかった。スマートフォンは使えるのにどうして…と年配の社員達は言っていたが、スマートフォンでLINEやゲームをしている限り、ファイル名は意識しなくとも不都合は無いのだ。そして、自分で編集・保存したファイルを再活用する機会が無ければ、パソコンのファイルに関して、名前を工夫するなんて考えには至らなくとも無理は無い。
多くの人は、こういう状況でも、想像力と観察力を働かせて、そして最初の頃の教育内容を応用して、自分で手を動かす。ごく初期の教育で伝えた筈の「ファイル名をつける時に気をつけること」を、改めて指示されていない個別の業務においても考える。

でも、それができない人がいる。
これはもうスキルというより、ものの考え方の話になってくる。
かつて糸井重里氏が書いていた。
「『精神の田舎者』は、自我を必要としない」と。
考えるよりも、自身の観測範囲にいる“みんな”が基準なのだと。
そういう考え方だと、仕事によっては上手くいかない。今までは(少なくともパソコンの基本操作に関しては)圧倒的に年寄りに多い傾向だったが、デジタルといえばスマホな人達が多くなってからは、若い人にも目立つようになった。
個人的な印象では、スマートフォンは「人に寄り添いすぎる」と思う。僕も普段は便利に使っているけれど、そして弄り倒す人も多く見ているけれど、基本的にあれは親切設計の極みを目指している。ぼんやり使っている限り、学ぶことは少ない。

そして、仕事の合間のちょっとした会話でも、そういう傾向は伝わってくる。もっと言うと、「デスクトップ」や「ドキュメント」フォルダの中身をちらっと見るだけでも、わかってしまう。

 

困ったことに、こういう人こそ、パソコンの基本操作をなかなか学習しない。とても教えづらい。専門的な機器をマスターしてもらうほうが、よほど楽。
画像と解析データを外部機器から移して、ExcelとWordのファイルを特定のフォルダに保存して、メールしてブラウザの業務用サイトで手続きをして、なんて日常業務の「個別の操作」を教えていたらきりがない(教えるけれど)。
そういう色々な「ちょっとしたテクニック」や「Microsoftのお作法」を教わったら、そこから総合的な「パソコンの基本操作とは」を学び取るのが本来の筋道だが、そこに至るまでの道を考えると気が遠くなる。
かつて、手癖で操作するといえば、年寄りの専売特許だった。「こうすると早いし簡単ですよ」と教えても、「自分は昔からの方法が楽だから」と、覚えようとしない。
そんな学ばない姿勢は年寄りの特質かと思っていたが、最近は「精神の田舎者」だからだと考えるようになった。

 

 

ふと思い出した。
若者ではないが中年でもない、くらいの人達で、今でも「電話で撮る写真」のことを「写メ」と呼ぶ人がいる。あれは大変に年寄り臭い。「精神の田舎者」っぽさが強いと思う。

 

 

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