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10月8日(土)観音寺、本島、丸亀 #瀬戸内国際芸術祭(後編)

実はもう記憶があやふやなところがある今回の旅。印象がぼやけている訳ではなく、色々と渾然一体で時系列や土地との繋がりがわからない感じ。写真を眺めるとしっかり思い出す。

 

本島での展示では、特に「産屋から、殯屋から」が気になった。
現代アートで穴蔵で紅くて暗くて、というと「胎内巡り」とか「エロスとタナトス」みたいなものが多くて苦手なのだが、それよりもう少しさっぱりしている。写真が不吉な感じなのも良い。


それから雑誌やテレビでも多く紹介されるこちら。
僕は島巡りの最後に行った。大したものだなあ、と感心する。色んな角度から眺め、風を感じながら数十分を過ごした。
天気も良くて本当に気持ちの良い展示。地元の人が「これ漁網なんやで」と教えてくれた。なんだか誇らしそう。

この展示だけでも、島に来た甲斐があったと思う。街中では、こうはいかない。

setouchi-artfest.jp

 

まだ島を巡る所要時間の見積もり(?)が上手くできなくて、最初は駆け足で(といっても自転車だが)、最後はその自転車を返してから暇を持てあます状態だったが、でもなにしろ春からずっと待っていた瀬戸内の島なのでそれもまた素敵な体験。
港の周囲にある飲食店が数も質も残念だったけれど、島の老婆から買ったイチジクは美味しかった(7個で200円程度。ただし数個は熟しすぎていた)。イチジクを食べ、缶のブラックコーヒーを少しずつ飲みながら夕方に近づく海を眺めていると、まるで自分の人生じゃないみたいだった。物語っぽい時間。村上春樹の異国滞在エッセイにありそう。

 

島から丸亀に戻ったら、雨が少し降り始めた。
「骨付き鶏」の名店、「一鶴」の本店で夕食をとる。既に行列ができはじめていたが、居酒屋的に使う人ばかりではないせいか、回転は速い。それほど待たずに席へ案内される。

メニューはそれほど多くない。売り物の骨付き鶏というのは、スパイスと塩をたっぷり使った炭焼きのもも肉。「ひなどり」は市販されている鶏肉と同じく、まだ若い鶏を使ったもので、柔らかくて肉汁も多い。少し安くて、一般向けとされているようだ。
そして「おやどり」は、いわゆるひねどりというのか、歳をとった鶏のもも肉。切れ目を入れてくれてあるが、固い。肉の味は濃くて、せっかくならばこちらのほうが、と僕は思う。お願いすれば骨から外して一口大にしてくれるらしい。普通はかぶりついて食べる。

なるほど美味しい。
料理上手な人の作る、思い切った塩加減の肉料理といった感じ。家庭では出せない味だろう。お酒が進む味、と言ってもいいかもしれない。しかし別に注文した炊き込みご飯も美味しかったので、外食らしい濃い味付けの料理として素晴らしいと思う。
付け合わせにはキャベツの切ったものが数枚。これを山盛りで注文できれば言うこと無しなのだが。

ちなみに僕は「おやどり」「ひなどり」両方食べた。1羽ぶんの脚部なので、かなり食べ過ぎ。サラダも注文したが、野菜不足でもある。
宿に戻る前に駅に隣接しているスーパーマーケットで野菜ジュースなどを買いこみ、部屋で飲んでみた。
このスーパーマーケットは全体的に安い。練り製品が珍しいものばかり、でもさすがに買えない。和菓子や菓子パンも、静岡とは違う。でも北海道ほどの独自性は無い。鮮魚に小魚(切り身にはならない、防波堤で釣れそうなもの)が目立っていて楽しい。骨切りしたハモも、静岡では買えない。

 

 

 

翌日以降のことは、また後日書く。今日はもう、寝ます。
思い出して整理するのも楽しい、そんな旅だった。丸亀、もっと探検したい街でした。夜に(祭ではなくて練習か祝い事として)獅子舞をやっていて、これも珍しかった。