映画『ロイヤル・ナイト』と『マジカル・ガール』

映画2本を鑑賞。1作品は映画館ではなくて、Web配信の「試写会」に当選したので、自室でiMacの画面で観たのだが、とにかく今日は(結果的に)映画強化日となった。

どちらも素晴らしい作品。
万人に強くお勧めするのは『ロイヤル・ナイト』で、これは映画館でまた観たいと思っている。
『マジカル・ガール』は、個人的な怪作。今思うと、ちょっとしたミスリード(シナリオだけでなく、予告編やポスターや予備知識も含めたもの)に引っかかっただけ、な気もするが、でも面白かった。

では例によって、他のSNSに書いた感想を下にペースト。

 


まずは『ロイヤル・ナイト』。

なんとも華やかな、どこを取っても素敵という作品でした。


対独戦の終結した夜、当時はまだ王女だったエリザベス女王がお忍びで狂騒のロンドンに繰り出していた、というエピソードを膨らませた作品。
夜の街に繰り出した王女姉妹、彼らは当然、発見や混乱や出会いに翻弄される。たった一晩、しかも戦勝の日という「皆が一緒になって祝う夜」であっても、色々な想いを抱いた人間がいる。それが社会であり、なにしろ戦争が終わった日なのだから。

王宮の狭さ・堅苦しさからの反発や外の世界への好奇心がきっかけだった王女も、いつしか自分の道を見いだしていく。
自身の思い描いていた王道ではなく、国民の想いを受け止める器になるべく選ぶ道。そこでは、秘められた別れも、ただの悲しい一夜の思い出や、一生抱える(たまに思い出す)単なる心の支えではないのかもしれない。

子供のような無知が故の純粋さから、覚悟と見識を自らに求める大人としての純粋さへと変わる彼女の表情や姿勢、ちょっとした雰囲気が、この映画のひとつの見どころ。大きなきっかけがあってがらりと変わるのではなく、少しずつ態度や言葉が変化するのだ。

貴人たるもの卑を知るべし、というのは多くの文化に共通する統治者の心得だと何かで読んだ。父王(あの英国王のスピーチの王様ですね)や母親も、それをわかっていたのだろう。特に王宮に戻ってきてからは、王女への態度ががらりと変わる。それも印象的。


王女のドレス姿や、品の良い立ち姿は、それだけで映画の魅力を押し上げている。
もちろん、周囲を固める人達も、主役脇役とわず素敵。全体にキレが良いというのか、音楽を楽しむように場面転換を楽しめて良かった。上質なラブストーリーとしても、強くおすすめ。

 

今になって思う。
英国王室、特にエリザベス女王の持つ、こういう作品を受け止める力、つまり「こういうエピソードが本当にあったのかもしれない」と思わせる何か、それこそが今の時代の、貴なる血族の役割であり、力なのだろう。
そんな意味では、現実へと繋がりがある強い物語として、印象に残っている。


この映画、Web配信された「試写会」で鑑賞した。
が、モニタよりはスクリーンで観たい。劇場での上映が楽しみでならない。大好きな映画が、またひとつできた。

 長い(感想が)。映画はあっという間に感じました。

あの人やあの人、それから遠くのあの人が大好物じゃないかな、と想像するのも楽しい、人に薦めたくなる作品です。

 

 

 

 

次は『マジカル・ガール』



いやあ、混乱した。
いや、単に自分の想像と違ったことにびっくりしているだけかもしれないが、ともあれなかなか面白い映画だった事は確かです。

日本のアニメ「魔法少女ユキコ」が大好きな白血病少女、失業者の父、ふとした事から知り合う精神病を患う人妻、彼女と因縁があった元教師、そんな人達が出てくる映画。僕はてっきり、サブカル風味の、どこかお洒落なミニシアター向け作品だと思っていた。

みんなどこかしら欠けている登場人物が巻き起こす、ドタバタというには凄惨な数々の“出来事”。観ていて愉しくないし、いくぶん不条理でもある。意味とか教訓とか、救いなんてほとんど無い。ちなみに綺麗な映像だが、お洒落映画というわけでもない。
とにかくエピソードや仕掛けは全て定石通りなのに、全体の流れからは普通の映画にある救済が省かれている。そこに驚く。


あれあれあれとびっくりしているうちに映画は終盤へ。
前半では意図的にか描かれなかった各人の関係が露わになり、身も蓋もない終末へと向かう。物語が収束する快感なんてまるで無いのだが、とにかくひとつの結末は迎える。なんだよ結局ノワール・ムービーかよー、って思いつつも、何か違う感じが拭えない。

主人公の女の子はとても綺麗。ベリーショートと強い視線が印象的。もう1人のヒロイン(?)の人妻さんも、いかにも富裕層という感じで文句の無い美人。「魔法少女ユキコ」の主題歌は80’アイドルソング的な哀愁があって耳から離れない。

それにしてもスペインの人達、いろいろ自重して欲しい。それから、スペインには神も仏もいない、たぶん。魔法少女もいない。困ったものである。


ちなみにミニシアターで観ました。
観て良かったか、というと間違い無く「Yes!」だけど、他人に説明したら上映時間の40%くらいはかかるし、それで興味を持ってもらえるとは思えない、そんな作品でした。中盤からのぴりぴりする感覚、それだけでも価値がある、と思う。

 

 

これは、僕も混乱したけれど、前の列に座っていた「魔法少女とか好きそうなゴスロリ風味の女子集団」は、もっと混乱していた。サブカルの多様性を舐めてはいけない。

 

 

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おやつは「MARIATHANK」で、紅茶とタルトを。紅茶はアールグレイ、タルトは杏のチーズタルト。杏と、しゃりっとした砂糖が美味しい組み合わせ。涼しかったこともあり、温かい紅茶も楽しめた。