映画『レヴェナント』と、美味しいもの色々。

連休になったら観るぞ、と決めていた『レヴェナント』を鑑賞。


現在、シネコンで上映している映画としては、質も上映時間も最重量級な作品。

実在した人物、ヒュー・グラス氏の脅威のサバイバル行を、大胆に脚色した作品。氏の名前は知らなくとも、「熊の毛皮を被った罠猟師」の扮装を、カートゥーンアニメや米国児童文学で見たことのある人は多いのではないか。たぶん彼の地では有名人。開拓時代の傑物の1人なのだと推測する。
そのグラス氏が、悲惨で寒くてひもじい復讐の旅をする。熊に瀕死の怪我を負わされた身体で。300km以上の距離を。


1820年代。
アメリカでは農地開拓以前の、収奪の時代。
インディアンは殺されて当然、毛皮や鉱物といった品を欧州に高く売るために、荒くれ者達が組織され僻地へ送り込まれていく。まだバッファローは絶滅していない。日本には捕鯨船がやってきた頃。
グラス氏は罠猟師隊に息子と参加し、そこで悲劇に遭う。
死んでも当然な苦しみを超え、悪態もつかず、祈りも唱えず、敵を討つためにただ生きる。
他の荒くれ者達が(程度の差こそあれ)敬虔なこととは対照的だ。(ちなみにインディアンは、最近の映画ではよくあるように、物語の都合に合わせて残酷だったり神秘的だったりする。ちょっと便利な存在に思えるのだが…)。


敬虔といえば、この作品、随所にキリスト教的なモチーフが現れる。
そもそもレヴェナントとは、「蘇生者」のこと。
神の言葉、神の暗喩が示されながらも、誰も彼もが獣じみてくる、その対比が実に印象に残っている。
でも、完全に邪悪な人間はいない。粗雑で利己的な人物は多いが、グラス氏の敵対者でさえ、あの環境と状況では(罰せられる罪人ではあるが)筋の通った理を持っている。

ラストの数秒が想像力をかき立てる。グラス氏の今後を想像する。彼はどうなったのだろう。どうするのだろう。


しかし疲れる映画だった。
徹底的に美しい風景と、凄まじいまでに残酷または痛そうな描写が繰り返される。その両方で、肩や腹に変な風に力が入ってしまう。
スタッフロールを最後まで見終わった頃には、変な疲労感でぐったりしていた。


一言二言で、どんな映画か説明するのは難しい。
無理矢理に言うと、「凄い映画」だった。疲労感だけでも、希有な経験をした。

 

同行者は、「口直しに『植物図鑑』を観よう」と提案してきたが、却下。身体に悪そうな予感がしたのだ。3時間近い映画のあとに、「口直し」なんて体力的にも無理です。

 

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BExRJsDmMb7/

 

https://www.instagram.com/p/BExSbQumMd6/

 

昼食は鷹匠の「アレイレストラン」でサンドイッチを。
キャロットラペとツナのサンドイッチ。マリネやサラダが何種類か付いてきて、どれも気が利いた味で楽しい。大きいポテトフライも美味しかった。もちろんサンドイッチも、食後のガトーショコラも、コーヒーも。
冬の終わり頃に初めて訪れて、しばらく間を置いてまた窓際の席に座ると、外の並木の変化がとても素晴らしい。今は新緑が濃くなりつつある。
この風景は、静岡の市街地では珍しい気がする。

www.at-s.com

 

 

https://www.instagram.com/p/BExjhs7mMZk/

今日は色々と買い物などを済ませた。その後のおやつは、「つきさむ」でホットケーキを食べる。
ラズベリーっぽい何かのジャムが添えられていた。サイズ、雰囲気、味ともに申し分の無いホットケーキ。ホットケーキは、この雰囲気が大切な食べ物だと思っている。

無粋を承知で書いてしまうが、この焼きたてのホットケーキが350円というのは、安すぎではないのか。客の領分で考えることではないとはいえ、なんだか気になる。お得だから注文、という事は今までもこれからも無いだろうけれど、ともかく。

tsukisamu6.exblog.jp

 

 

 

 

t_ka:diaryは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。