率の話、猫の話。

パズルランドのアリス2 (ハヤカワ文庫NF 《数理を楽しむ》)


仕事中に、「○○率の求め方」について聞かれた。
例えばある材質の伸縮率とか、変化の度合いを%で表すための計算式。「すっごく基本的なこと」と恐縮していたが、確かに上司には聞けないかもしれない。僕は今の職場で、その種の疑問にカジュアルに回答する立ち位置にあるような気がしている。科学雑学担当というか。
そして企業の研究所といっても、研究員以外はこういう理系の基礎知識に欠けていても、なんとか仕事になってしまう事も多い。
例えば少し前に、「華氏」を知らずに20年近く機器を操作していた人がいた。操作盤に書いてある「℉」が温度の単位とは知らずに、でも指示通りに数字を入力していたのだ。困ったことに、その人の先輩が残したとされる「華氏と摂氏の換算式」が間違っていて、大きなトラブルにはならなかったけれど、もし他社との共同研究だったら大騒ぎになっていただろう。

で、率の求め方だが、例えば変化率だったら、僕ならば「変化した数/変化する前の数」で計算する。その後に100をかけて(百分率なので)、増減だけを知りたいのならば100を引く。これで、何パーセントの変化があったのかが、わかる。

でも質問してきた人は、今までの人生でそういう方法はしていなかったという。
「まず1%はどれくらいの数量なのかを求める。それで変化したぶんを割れば、変化率が算出できる」という。これは僕も、隣で聞いていた研究者も感心した。そういうややこしい考え方もあるのか、と。
しかしこの計算方法、僕達も日常では使っている。後で気付いた。
例えばスーパーマーケットで豚バラ肉が「30%オフ」と表示されていたら、ざっくりと10%の価格を思い浮かべ、3倍して、値引き分を算出する。
これは、やっていることは「理系の人達の方法」と同じなのだが、何も考えないとそうは見えない。
僕は面白いと思ったのだが、質問者さんは特にそうは感じなかったみたいだ。
「率」という、数字を扱ううえで頻繁に出会うものですら、人による考え方の違いがあるし、それでも(ほぼ)間違いなく仕事が回っている。

 

パズルランドのアリス2 (ハヤカワ文庫NF 《数理を楽しむ》)

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 ところで今日は、「猫と犬、どちらが好きか」という話題が、昼休みに発生した。

「猫は群れないところが良い」みたいな話になった際に、ぼんくら君(僕が心の中で命名。職場でいちばん阿呆な27歳)が、「でも犬だって群れませんよね」と言い出した。
「だって、群れているところなんて見たことが無いですよ」とか言う。みんなで「そりゃまあ日常生活で群れた犬なんて見ないけれどさ」と反論(?)してみたのだけれど、彼は「じぶん、見たものしか信じないんで」と譲らない。
仕方が無いからスマートフォンで「群れている犬の動画」を見せてあげたのだが、「ネットの情報を鵜呑みにはできませんよ、今の時代にはね(笑)」とか言いやがる。

無教養は怖い、という話。
怖いだけなら良いのだが(僕の人生ではないので)、この人は平気で「えー福島のお土産ですかー。じぶん、無理ですー」とか言うのだ。「放射能」を心配して。
こうなると迷惑。社会的に迷惑かつ、お土産をくれた研究員さんに悪い。

まあ、付かず離れずの距離で観察するには面白い対象ではある。しかしスマートフォンは、もう少しスマートな使い方をしたいものだ。「今の時代にはね(笑)」なんて言われるために、全地球ネットワークと端末が存在しているわけではないし、僕は通信料を払っているわけでもないのだから。

 

知の教室 教養は最強の武器である (文春文庫)

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