ミルフィユと映画の好み

理解はできたが共感はできない、という物事が世の中には数多い。
今日は仕事中に「泣ける映画、という惹句だけで、その作品を観てしまう」という人に出会った。「感動作」に弱いのだという。

そういえば、映画の宣伝では、よく試写会を出てきた人が「泣けましたー」とか言っている。確かにまあ、感情を揺さぶられる映像作品は、それだけで素晴らしい。それは僕にだってわかる。

でも僕は、感動を求めて映画は観ない。結果として感動すれば、それは大満足。うっかり涙腺が緩むかもしれない。でも、感動は目的ではない。

 

感動は自意識を肥やす、と誰かが言っていた。共感は自説を補強するだけ。
今のところ、僕の自意識は栄養が足りているので、わざわざ補強する必要は無いことがほとんど。そういうものは、日常生活で補充して余りあるのだ。

僕は違和感や拒絶感を、映画では求める。どうしても受け入れ難い、なんだかもやもやする、そういう感覚こそが「世界を広げる」のだと信じている。そして、自分なんてちっぽけなものを高めるより、広い視野でものを考える習慣のほうが、きっと役にたつ。

だから、「感動を約束します」と言われても、「はあ」としか答えられない。

というか、効能を期待して映画館に行くなんて、もったいないと思う。
感動したい時に感動できるようになったら、感動の価値が下がるのでは、そうも考えてしまう。

 

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さて、今日のおやつはミルフィユ。

おやつというより、仕事の帰りに立ち寄ったケーキ店「ボクゥボクゥ」でカフェオレと共に楽しんだ、1週間のご褒美。定時に帰れたことを寿ぐ。

フランス語にこだわる店は、ミルフィユと書く。ミルフィーユというと、かなりおかしい感じ(確か1000の娘、だったか)になるというのは有名な翻訳小話。
でもミルフィーユで定着している。アボカドと違って発しにくい言葉でもないのに、どうしてそうなったのか。フィーがフランス語っぽいからか。昔はとにかく、フランス語といえば伸ばすものだったようだが。

この店のミルフィユは、パイとカスタードクリームが重なった、シンプルなもの。
しかしナイフが必須のざくざくしたパイ生地と、ラム酒がたっぷり入ったカスタードクリームは、他のどの店よりも豪華な味わい。
食べて良かった、と思えるミルフィユは久しぶり。これは再度、何かの折に食べるだろう。思いがけず好物が増えた。嬉しい。

 beaucoup beaucoup(ボクゥ ボクゥ)
藤枝市天王町2-9-53
054-644-0978
営業時間, 10:00~19:00
定休日, 火曜日