映画『ザ・ウォーク』

映画『ザ・ウォーク』を観た。
いわゆる「実話に基づくお話」で、あの世界貿易センタービルが建った頃に、2つのビルの間で綱渡りをした男の話。

「すっごい良かったみんな観るといいよ僕はあと3回観る!」という作品ではなかったが、でもとても良い映画だった。佳作。

僕個人としては、数年ぶりの3D映画。
2Dでも上映していたが、上映時間や回数からいっても「3Dが基本」という売り込みかたで、つまり2D上映は不便な時刻しか無いので、やむなく3Dに。字幕と3Dって相性が悪い先入観があったのだけれど、さすがに昔とは違って、極端に見づらい事は無かった。

高層ビルの上で綱渡りという話、そして予告編もその「怖さ」を売りにしていた。でもストーリーはそれよりも、アートを志す若者の焦燥や、「やるしか無い」という想いに囚われた主人公の心理に焦点が当てられていて、正直なところ高いところでぐらぐら揺れても、それで心臓が止まりそうになる、といった事は無かった。

明らかにCGでしか作れない映像という事も、また史実を知っている事も、3Dの迫力映像による「高層ビルの屋上の怖さ」を薄れさせていたのだと思う。

とはいえ、そういう「落ちるか落ちないかハラハラドキドキ」要素が薄い事は、映画の欠点では無くて、反対に、前述のようなストーリーに集中するために効果的に働いていたと考える。

ヒッピーじみた人や、あの時代の風俗や文化が惜しみなく描かれていたことも良かった。
それから、伏線になりそうな台詞や出来事が、特にその後に何の影響も無い、といった事がわりと多くて、かえって現実味があった。全部が劇中で整合性がとれていたら、逆にリアルではないのだ。さすが「実話に基づくお話」だ。この映画の最も気に入った点は、もしかしたらその部分かもしれない。

 

しかしこういうエピソードがあると、その建物に「魂が入る」というか、ストーリーのある建物以上の何かになるなあ、なんて考えていたら(日本では例えば金閣寺安田講堂だろうか)、ヒロインが全く同じ意味の台詞を喋ったので、びっくりした。

まあそんな感じで、良い映画でした。
映画館で迫力の3D映像で観るも良し、レンタルして家で夜中にじっくり観るのも良さそう。ミニシアターでも通用しそうな気がする、そういう意味では妙な映画。バランスが取れている、と言っても良いのかもしれない。

 

https://www.instagram.com/p/BBMKpEwmMY6/全然関係無いが、おやつは藤枝市の「ボクゥボクゥ」でチョコレートタルトを食べた。
キャラメルソースとチョコレート、それになぜかコーヒーの風味がする。小さくても濃厚、そして端正なスイーツでした。