休憩時間に村上春樹の話を少し

本日は、いつもと違う部署で仕事をしてきた。
休憩時間に、芸能人がやりとりしたLINEのキャプチャ画像が流出した(ために、彼らの隠していたトラブルが露見・証明された)というテレビ番組の話を聞いた。
その画像の真贋を問うたら、「テレビだから本物に決まっている」とか「LINEの画像は偽造できない」とか、ずいぶん真剣に解説されてしまい、どういうわけか「若者側のテクノロジーに疎い人」扱いされてしまった。

僕なら作れる。
アイコンをキャプチャして、適当なアカウントを2つ作成して、やりとりをしてもいいし、画像を切り貼りしても作れる。もっと巧妙な手を考える人だって、きっといる。
陰謀論じみているけれど、ただ話を盛るためだけに作ろうとする人はいるのではないか。

しかしたぶん、テレビの無謬性を信じている人にとっては、例え目の前で(3分くらいで、ちゃちゃっと)偽のLINE画像を作っても通じないのだろうなと思う。細かい差異を指摘して「やはり偽造は不可能だ」と言いそうな人達だった。

悪い人達ではないが、話が合わないこと甚だしい。それはそれで面白いが、同じ時代に同じ土地で、ここまで土台が違うのかと驚いたことも確か。

 

職業としての小説家 (Switch library)


そのなかの一人に、「村上春樹の小説を持っていたら貸してほしい」と頼まれた。
理由が面白い。
「妹の出産をきっかけに、その赤ん坊が大きくなったときに恥ずかしくない大人になるため、村上春樹くらいは読んでおきたい。でも本を買うほどの興味は無いし、図書館はダルい」
とのこと。
村上春樹氏に報告したい理由だが、ともあれ村上春樹の小説なら沢山持っているから、何かを貸すつもり。

しかし今になって、これは安請け合いだったかと後悔している。
上記の理由に沿う、そしてこの人のようなタイプがすんなり楽しめる作品が、わからない。「長いのはヤダ。短編?短編って内容が薄いんでしょ?」などと言っていた。
これが世に聞くビブリオバトルという奴だろうか。違うか。
「小説だよ」と、軽めのエッセイでも渡してしまおうかと考えているが、それで納得されそうなので怖い。
これなら、90年代末にサブカルさんを相手にしていた時のほうが、格段に楽だった。
しかしほぼ初対面で、よく「村上春樹を読んでそうな人」と見抜いたものだ。羊男Tシャツを着ていた訳でもないのに。

 

風の歌を聴け (講談社文庫)

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ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

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スプートニクの恋人 (講談社文庫)

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