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吉原のフルーツゼリー

昨日、富士市の吉原に行った時に、有名な「フルーツゼリー」を購入した。
古い商店街の贈答向け果物店が作るゼリー。
何度か貰ったことがある。その時の感じからして、地元の人達には「ちょっと上等な嬉しいもの」として定着しているみたいだ。
今回購入したのはラズベリーのゼリー。潰したラズベリーが、細長いプラスチックの杯にたくさん入っていて、全体がゼリーになっている。価格は、専門店のケーキよりは安いが、コンビニスイーツよりも高価。

 

 

確かに美味しい。
万人に好まれる贅沢、といった感じ。
お年寄り数人が働いているお店は全く垢抜けていないし、親切だが戸惑わせるやりとりやサービスが多くて、その辺りは本当に「古い商店街の果物屋さん」といった感じ。しかし味は確かなのだ。

 

 


さて、この店でゼリーを購入すると、パンフレットが付いてくる。
これが妙に引っかかる。
とにかく全編にわたり、「フルーツアーティスト 杉山清」を押し出してくる。正直なところ「知らんがな」と思う。誰だそれは?

昔の情報、僕の手元にある本によると、元々は「フルーツの消費が少ない土地柄だったが、どうにか楽しんでもらおうとゼリーにしたところ、地元に愛される逸品として定着した」とある。僕もそう記憶していた。

しかしいつの間にか、フルーツアーティストなる人間が手がけた「作品」ということになっている。「行列のできる『生ゼリーライブツアー』」も各地で開催されているし、講演会もするし、ビジネス本めいたものまで出版されている。パンフレットには、シェフみたいな格好をして腕組みをする恰幅の良い壮年男性の写真も掲載されている。

よくわからないが、とにかくそういう方面の「上等さ」で売り出しているようだ。
ずいぶん俗っぽい、まるでテレビのバラエティ番組的な持ち上げかたである。

僕としては、「衰退しつつある古い商店街にある贈答向け果物店が作る、上質な手作りゼリー」が、地元の人に愛され、遠くから買い求める人も多い、というストーリーのほうが美しいと思うのだが。
そもそも、お客さんのほとんどは、ハイキングみたいな格好をした賑やかな老人や熟年集団なのだから、それでいいじゃないか。
パンフレットの文面はお世辞にも上手とはいえず、「美味しさの秘密」を列記した部分などは文章も内容も変なので(海藻から抽出した植物性のゼラチンって何だろう?)、もしかしたら素人の手によるものかもしれないが、それにしても、有り体に言って、これは格好悪い。せっかくのゼリーが台無しだと思う。

そう、ゼリーは文句なく美味しい。
といはえ、今は類似品もデパートの地下で売られているし(それらが決定的に劣っているとは思えない)、ちょっと良い果物を楽しむ機会は探せばあるから、わざわざ吉原の商店街まで行くことも無いとは思うけれど。しかしもちろん、吉原に行ったら(素敵な商店街だった)買おうと思うし、買ったらきちんと楽しめる。日持ちこそしないが、手土産としても最適だと考える。

 

 

静岡土産

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ポケットに静岡百景

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静岡百景

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