大根と生姜の塩鍋

大根 約1Kg


今年の冬は大根ばかり食べている。

親戚が身体を悪くして、家庭菜園が収穫期間際で放置されてしまった。とりあえず大根だけでも抜いてくれ、と病床から連絡があった。

近所の植木屋さんが、腰を痛めて休業。
庭の面倒を見られないお詫びにと、大根を山ほど運んできた。これもたぶん、家庭菜園の余り物。

その他にも、ちょっとびっくりするくらい、多方面から大根ばかり我が家に集まってくる。童話っぽさがあるけれど、いささか飽きてくる。

元々、彩りと練り製品に欠ける我が家のおでん。先日のそれは、大根が8割(体積比)を占めていた。もはや、その他の具材は、出汁のためにあるようなもの。

というわけで、毎日何かしらの大根料理を食べている。
たくさんあるから贅沢に使う、という種類の食材では無いから、とにかく地道に食べ続けるしかないのだ。しかも、家庭菜園の、しかも管理がそれほどされていないものがほとんどから、辛くて筋っぽいものも多い。

 

余談だが、僕は1年間ほど、朝食のごはんは、千切りのキャベツにしていた。米飯の代わりにキャベツ。ずいぶん痩せることができたし、慣れれば特に苦ではない。急いでいる時は準備も咀嚼も面倒だけれど、何もつけないキャベツをおかずに卵焼きや干物も食べる日常だった。

ここしばらくは、キャベツのかわりに、千切りの大根を大きなお椀に1杯食べている。
寝る前にスライサーかピーラーで切っておけば、朝はそれを食べるだけ。辛いし、美味しいものではないけれど、特に気にせず食べている。佃煮のようなおかずが合う。
味噌汁の具に大根が入っていると(頻繁に入っている)、とても残念な気持ちになるけれど、まあ気持ちだけの問題である。
本当は、刺身のつまを作る専用スライサーか、フードプロセッサーのアタッチメントが欲しいところ。意外なことに、作り貯めが効くのだ、大根の千切りは。それに味噌汁にも使える。

 

それ以外は、いちょう切りにして半乾きにすることが多いようだ。
これは両親が晴れた日にやっている。保存というよりも、食味を良くするため。

 

今日は夕食がひとりだったため、鶏鍋にした。
鶏肉は安売りの「親子丼用」というものを使った。干し椎茸と干鱈、酒と塩、そして大量の大根(太めの千切り)、さらにごま油で風味付け。
ここに生姜を山ほど入れる。薬味の域を超える意気込みで投入しなければならない。

全体がくたっとなったところで、さらに大根を追加。黒胡椒を挽いて完成。ナントカ柑、という柚子やカボスのような柑橘類があったので、これも輪切りにして使ってみた。

青みが足りないけれど(大根葉を入れれば良かった)、なかなか美味しくできたと思う。大根の鍋、というと白く濁ったスープ(豚骨ラーメンみたいな感じ)で作ったものが美味しかった記憶があるけれど、家ではなかなか作れない。出来合いの「鍋の素」も買う習慣が無いから、どうしてもあっさりした味付けになる。

鶏がもう少し良いものだったら、他人にも薦められる味になった。今日のところは、1人でもそもそ作って、まあそれなりに美味しいよね、と思いながら黙々と食べる、そんな鍋だったし、それで十分。どちらかといえば、生姜が主役で、大根は土台。

 

今から甘酢漬けを作る。
なんとなく紅白なますも作ってしまいたい。実は「紅い大根」も、貰ってあるのだ。

「大根の致死量」を調べておいたほうが安全かもしれない、そう思う冬の夜である。

 

 

 

 

 

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