マッチボックス・干し柿

なかなか珍しいお菓子をいただいた。
手作りの品で、見るのも食べるのも初めて。名前は特に無く、僕が「マッチボックス」と名付けた。

味は干し柿そのもの。少しだけクミンの香りがついている。ほんの少し、クミンや八角の粉がついているのだという。本当に遠くに匂うくらいの淡い風味。

味が干し柿であるのは当然で、このマッチボックスは、干し柿をマッチ箱の形に切って作ってある。つぶした干し柿の上下左右を切り落としただけ。それにスパイスをごく僅か、そしてなぜかレモンのマーマレードを塗って、ココナツの微粉をまぶして、オーブンの予熱で乾燥させている。

面白い発想の食べ物だと思う。
僕は口に入れてしばらくは、干し柿だと気づかなかった。 いや、味と食感はほとんど干し柿、だけど酸味と香りが違うだけで、そしてそのシャープな形で、全然違うものになっているのだ。

残念ながら、写真は無い。
これは試作品で、勤め先のカフェでコーヒーのお供に出したい、という試みだという。
こういう無国籍な食べ物を作れる人は凄いと思う。ファンタジー世界、それも妖精やドラゴンの出てくる典型的なものではなくて、ちょっとオリジナル要素のある世界の小道具に使えそうな、四角い食べ物。宇宙食っぽい気もする。

小さくて味が濃くて、びっくりさせるお菓子。
思いがけず新境地を味わってしまった。僕には無いセンスだ。端的に言えば、かっこいい。

 

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