冷えとりヨーグルト

職場で「ダイエットには温めたヨーグルトが良い」という情報を教えてもらった。
なんだか、とんでもない話だ。

 

冷たいヨーグルトは「身体を冷やす」ため、代謝が落ちて、その結果、脂肪が身体に増えていってしまう、のだという。

一般的な量のヨーグルトならば、それが冷たくても(もちろん一般的な冷たさだ)、基礎代謝や体調に影響するとは思えない。食べた直後に、幾分かは内臓器官は冷えるかもしれないが、我々は恒温動物である。あっという間に体温は回復し、消化も代謝も通常通りになる。なにしろお椀1杯のヨーグルトだ。奪う熱量などたかが知れている。

というか、冷たいものを食べたら、その体温調整にエネルギーが使われるのだから、体重は減りそうなものだが。もちろんこれは、ごく僅かなもので、つまり冷たいヨーグルトで身体がどうにかなることは無い。

ヨーグルトくらいの冷たさで健康が損なわれるのならば、すでに人類は死滅していそうな気もする。

 

逆に温めても、意味は無い。
僕達が温かい物を食べるのは、健康状態を向上するためというよりも、単にそのほうが心地良いからだ。衛生管理上も、熱した食べ物のほうが安全なことが多い。
冬山でキャンプをするならともかく、普段の生活で、特にヨーグルトを食すような状況で、食品の温度は身体に何の影響も与えないだろう。

繰り返しになるが、僕達は恒温動物なのだ。外気や食物の温度が多少変わろうとも影響しないようにできている。気温の変化ほどに体重が変化しないように、身体のなかは(ほぼ)一定なのだ。でなければ、少し暑い部屋にいるだけで、体内の化学反応は激しく進み、あっという間に痩せられるだろう。トカゲなどは、飼育してみると、そういう変化が観察できる。減量など、楽なものだ。

まあ、こういう時の「冷え」とか「代謝」は、いわゆる医学や科学の言葉ではないのだろう。もしかするとヨーグルトは、温度によって常識を外れた生理作用をもたらすのかもしれない。
個人的には、冷たいヨーグルトが、その冷たさ以上に体温を奪っていたら、SF的で面白いと思う。その熱エネルギーがどこに消えたのか、とても気になる。

 

あまり関係が無いが、温泉に掲げられている「効能書き」、あれの大半は、ただのお湯も持っている「効能」なのではないか。
もっと言うと、40度付近の安全な環境ならば、血流は増え、いくぶんリラックスすることが多い、というだけ。その結果の「効能:肩こり・腰痛・神経症」だと考えるのだが、どうか。なかなかそういう温熱療法をする(しかも多くの人が楽しめる)環境は少なく、その点では温泉を否定するものではないけれど、しかし冷静な視点を捨てるのもまた勿体ないだろう。温泉に関しては、文化的な刷り込みも効果に影響していそうな気もしてならないが、それは少し別の話。