喪服とタコ焼き

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喪服を新調することにした。
今週末に着るため、急ぐ必要がある。
20代の頃に誂えた喪服は、残念ながら「ぱっつんぱっつん」である。着られない訳ではないけれど、特に腹部がきつい。それに、なんとなくデザインその他が古い気もする。

 

というわけで、今日は仕事の後に、いくつか店を巡った。
祖父の頃からお世話になっている、静岡市の紳士服屋まで行く時間も、作ってもらう時間も無いし、そもそもその個人店が今も存在するのかもわからない。日常でスーツを着用する機会が無いこともあって、すっかりその方面に疎くなってしまった。

身も蓋もない話になるが、喪服に時間もお金もかけたくない、という気持ちもある。
今回は特に、日常で親しくしている人の葬儀ではないので、余計にそう考えてしまう。

 

で、色々と考え、比較検討して、イオン(のショッピングモール)の紳士服売り場で購入した。

いかにも無難で安価、そしておかしなところがひとつもない、つまり「とりあえず揃えたい」というニーズを満たすための一式、がきちんと売られていたのだ。店員さんも、直接は言わないまでも、「これなら無難かつ失礼にならず、喪服らしい喪服です。それに、ほどほどに安いです」という売り方をしていた。
そのうえで、ウエストが簡単に微調整できたり、裏地がハイテク素材で快適だったりと、細かな工夫がある。
さすがに「トップバリュー」の札は付いていないが、でもこの、身も蓋もない要求に身も蓋もなく応えるあたりが、イオンらしいと思う。
セットでネクタイやハンカチも、葬儀用が揃うあたりも便利。
こうして我々の生活はイオングループに浸食されていくのだな、と感心してしまった。

 

そんな喪服購入を済ませたら、どっと疲労してしまった。
スーツは苦手、スーツ売り場も苦手、ショッピングモールも苦手で、しかもこの買い物は、わくわく楽しい要素に欠けるのだ。

 

だから、タコ焼きを食べた。
ネギ焼きのような明石焼きのような、ちょっと変わったものを選ぶ。マヨネーズは不要だ。
ぱっとしないフードコートで、ひとりで平和にタコ焼きを食べていると(8個入りだった)、通路から、幼い子供に声をかけられた。
以前、友人の子供を数時間預かった事があって、その時に一緒に面倒を見たちびっ子だった。

「あっおじちゃんだー」とか叫び、そして親御さんを呼ぶちびっ子。
「おじちゃん、タコ焼き食べてるー!」とも叫ぶ。
僕は、どうもどうもこんばんは、と、やってきた初対面の若い夫婦に挨拶をする。
「おじちゃん、どうしてひとりでタコ焼き食べてるの?」と、ちびっ子は質問する。
「さみしくないの?」とか「お茶は飲まないの?」とも叫び問う。元気な人だ。
御両親は、たぶん困惑している。
平日の夜、ショッピングモールのフードコートでタコ焼きを食べる独身男性と会話をするのは、特殊なスキルが要るのだと思う。
僕だって困惑する。
まず、ちびっ子と僕との関係を解説し(困難だった)、それから「タコ焼きを食べるに至った経緯」を説く。
そして、ちびっ子に向き合い、「ひとりで好きな時に好きな食べ物を食べること、それは大人の特権である」と教える。
どういうわけか、そのファミリーに、ペットボトル入りの緑茶をいただいてしまった。完全に「かわいそうな人」である。まあ、実に有難いことではあるけれど。タコ焼きには、緑茶が合う。

 

せっかく定時に仕事を切り上げたのに、そんな事をしていたら、すっかり暗くなってしまった。
今はお風呂から出て、くつろいでいる。もう寝る。

 

図説イングランドのお屋敷 ~カントリー・ハウス~

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