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映画『屍者の帝国』と、クラフトイベント『手創り市』に行く。

映画『屍者の帝国』を鑑賞。
原作小説は大好き。いわゆる「フランケンシュタインの怪物」を(設定として)掘り下げた話、といえばいいのだろうか。
伊藤計劃氏が生前に序章だけ書いていて、それを円城塔氏が引き継いで完成させた、というSF小説スチームパンクっぽい19世紀、登場人物は著名人(実在の人物や、フィクションの人達、例えばシャーロック・ホームズ兄弟など)、そして“言葉”が大きなキーワードとして登場する、などの伊藤計劃っぽさと円城塔テイストが入り交じった架空歴史小説だった。
いくらなんでもやり過ぎだろう、と思わせる道具立てや後半のストーリー展開はどうかと思うけれど、それも含めて楽しい、そしてところどころで想像力を刺激させる良作として、印象に残っている。
今でも思い出すと、引っ張り出して読み返す。

 

 

その映像化。
想像以上に良かった。ファンなら十二分に楽しめる、と思う。
個人的には、主人公達の造形がやや美少年に過ぎたこと、脇役のマンガっぽい顔が世界観に馴染んでいないように見えたこと、登場人物の思惑や行動原理が説明不足だったこと、が気になったくらい。
特に最後の説明不足は、原作本を読んでいれば全く問題無いし、登場人物の名前やプロフィールによって(元ネタに詳しければ)推測できる。でもこれは、ある種のファンムービーというか、承知のうえで「一見さんお断り」の作りにしているのだと思う。全て描写していったら、とてもじゃないが時間が足りないし、冗長になる。
そんな情報不足と不親切さは別にすれば、映像的な緩急の付け方は実に気持ちが良く、音楽と絵の緻密さはぴったり雰囲気に合っていて、シナリオは上手に剪定された樹のようだった。可能ならば、あと1回、映画館で観ておきたいほど。

それにしても、最後の最後で主人公達がどのような理由でああいう風になって、今後はどういう関係になるのかは、あと少しだけ説明してくれてもいいんじゃないか。
僕はあの小説版のラストが、とても好きなので。虚実に虚を重ねて先に繋いでいくアイデアに、最初は本当に驚かされた。今だって読み返すと「なるほど!」って思う。

屍者の帝国 河出文庫
 

 

 

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映画のあとは、お買い物。
静岡市護国神社での春と秋の恒例イベント、「手創り市」に、今年も行ってみた。


一時期の「オバさん手芸と不思議ちゃんの系譜とヒッピー系田舎作家と自己主張をポエムとスピリチュアルに乗せるナチュラル系」ばかりの時代はようやく過ぎ、「おお凄い技術だ、街では出会えない品々ばかり!」と思えるブースが増えてきた。
いかにも全国を巡っている「クラフト展のプロ」の品に惹かれるものは少ないけれど、全体的には手が出しやすい価格の個人作家さんも多い。ともあれ、地方都市では貴重な機会だ。
バッヂとピンバッヂと箸置きを購入。革の鞄は、買おうかどうか、今も悩んでいる。明日、注文しに行くかもしれない。とはいえ、今はインターネット経由で注文ができるから、それほど焦りはしない。
それから焼き菓子をいくつかと、コーヒーを1杯。暗く涼しい午後だったこともあり、あまり明るい気持ちで食べ歩きをする気分とはいえなかった。快適ではあったが、やはり木漏れ日の下を歩き回ったほうが、心愉しいのではないか。
ところで、これは毎回思っていて、そして考えてもどうにもならないのだけれど、神社の杜というのは基本的に砂利敷きである。護国神社は、細かい砂利が、わりとたくさん敷かれている。歩いているぶんには問題ないが、ベビーカーは大変そう。特にアート・クラフトそしてナチュラル系のイベントは、小さい子供を連れた夫婦が本当に多い。なんだか気の毒な気がする。

しかし「手創り市」は、「手作り市」じゃ駄目なのか。わざわざ漢字1文字を変えたところが、気持ち悪いとまではいかないまでも、少し引っかかる。観光地の喫茶店みたいなセンスだと思うのだが。

それにしても、あの鞄は良かった。参考までにサイトを記す。
自分用なら、ひとまわり大きなサイズを注文したい。

Lille og Stor

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屍者の帝国 (河出文庫)

屍者の帝国 (河出文庫)

 
蘇る伊藤計劃

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