昨日のこと(東京旅行)

ふと思い立って、といっても切符の手配などはずいぶん前に済ませたのだが、とにかく特別なイベントなどもなく、かといって観光でもない「上京」を楽しんだのが一昨日と昨日。そのことを書いておこうかと思ったが、なんだか面倒になってきた。でも少しだけ書く。

 

 

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金曜の夜に泊まったのは、「日中友好協会」という組織が経営するホテル、「後楽賓館」。フロント係も中国人だったし、お客さんも中国からの人が多いみたいだった。造りは普通のホテル、少し広めのビジネスホテルっぽいのだが、風呂場が総ステンレスだったり、引き出しに聖書が入っていなかったりと、ところどころが、なんとなく「日本じゃないみたい」だった。こういう体験はすごく好きだ。

そしてこの宿、何度か小説で出会っている。国際スリラー小説などでの「定番の宿」のひとつ。主人公達が日本国や米国の諜報機関から追われる身になった時に、一時的に退避する場所として使われる。「ここならアメリカさんも手が出せないからな。まあ、盗聴くらいはされているだろうが、いきなり襲われるよりマシだぜ」といった感じ。たいてい、華僑の若き当主あたりがすぐに嗅ぎつけて接触してきて(我々には独自の情報網がありましてね…)、物事はさらにややこしくなる。

 

オービタル・クラウド

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火星の人 (ハヤカワ文庫SF)

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 盗聴はともかく、静鉄電車みたいなお風呂(刈谷SAのデラックス・トイレみたい、ともいえる)も快適で、静かな良い宿だった。
朝ごはんは飲茶の食べ放題。中華粥や馬拉糕を食べ過ぎてしまった。

 

 

 

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ここに行きたかった。

 

三鷹の森ジブリ美術館」は、とても素晴らしかった。
生まれて初めてディズニーランドに行った時に、隅々まで気配りや演出が行き届いたことに、他の遊園地との違いを見出し驚いた記憶がある。まだ幼稚園児だったか、小学生だったか、子供心にも「ここはすごいところだ」と思ったことは覚えている。

ジブリ美術館も、そういう場所だった。
装飾や小道具だけではない、例えば廊下の行き止まり、消火設備の法定表示、案内には書かれていない迂回路、そんな各所にこそ「ジブリ的な」小細工が施してある。大人なら感心するし、子供だったら夢中になるだろう。
わりと海外からの観光客が多くて、彼らはもう目一杯楽しんでいた。「館内は写真撮影不可」の決まりも、最初は不満に思えたけれど(だって撮りたいディテールが盛り沢山なのだ)でも今思うと「見て感じて歩きまわって」過ごした体験こそ、やはり価値がある。
ジブリ映画はほとんど観ない、という人は別として、「あの作品は好き」から「ジブリ作品はひととおり楽しんでいる」そしてもちろんファンの人には、文句無しにおすすめできる。それと絵を描く人や、アニメーションに興味のある人も、きっと行けばニヤリとする展示があるだろう。
というわけで、次はもう少し穏やかな季節に行きたい。
面白そうなバルコニーや通路があっても、今の暑さではつい駆け足で通りすぎてしまう。それでも恩賜井の頭公園の緑から連なる木陰がいくぶん日差しを遮ってくれたが、やはり春や秋や冬のほうが過ごしやすいだろう。たぶん秋こそベストシーズンではないか、と想像している。
事前予約制だから思い立ったら立ち寄る、というわけにはいかないが、行けばまた楽しめるだろう。個人的な“お気に入り施設リスト”に新規登録された美術館だった。

スタジオジブリ トトロ 夢心地 シェラフ(枕付き) 531059

 

 

ジブリ美術館のすぐ近くにある動物園、ここは学生時代からよく行っている。
入場料は安いし、ほどほどの狭さとのんびりした風情が素晴らしい。動物との距離も近い。そしてリスが人に慣れているところが、最も気に入っている。
今回は真昼だったこともあって、僕も動物もぐたっとしていて、写真すら撮り忘れてしまった。リスもキュウリみたいなものを齧っていた。それくらい酷暑だった、ということなのだろう。

 

 

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昼食は文具雑貨の店「36」の横にある天丼屋で食べた。

入るのに少し並んだ以外は、とても満足。穴子入りの豪華な天丼には、半熟卵のテンプラという不思議な品も入っていた。
この店の漬物(ガリ)はちょっと変わっていて、これは近日中に真似して作ってみるつもり。

 

 

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雑貨屋や服屋を覗きつつ、東京都で(個人的に)ナンバーワンのケーキカフェ「A.K.Labo」でおやつを食べる。

「フィグ」はもう、ここに来ると必ず選んでしまう。他では見かけない、ここでしか味わえない特別。そして今回は「サバラン」と「マカロン」を食べた。
紅茶をゆっくり飲んで、ケーキを食べて、満足した。いや本当は夏季限定のパフェみたいな品(近くの席で美味しそうに食べている人がいた)や、果物や生クリームを使ったケーキも食べたかったのだけれど、自重したのだ。

帰りは、店から出たくなくて困った。店のすぐ近くに循環バス(100円だった)のバス停があるから、時間を見計らって店を後にした。都会はバスの本数が多くて助かる。

 

おいしさの秘密がわかる スイーツ断面図鑑

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そして「国立新美術館」。

アニメーションとゲームから俯瞰したカルチャーの云々、みたいな企画展を鑑賞。小難しいサブカル論やポップ・カルチャーのパネルではなくて、80年代から現在までのアニメやゲームや漫画の代表作を延々と手を変え品を変え紹介していく、という見せ方。懐かしいものから「今はこんなすごいんだ」まで、素直に楽しめる展示だった。それでいて最後には心に残るものがある、という良い展示。
しかし新美術館、とても居心地が良いところだった。展示室ではなく、ロビー兼喫茶コーナー兼廊下、みたいなところが無料で、涼しくて明るくて快適だった。

 

他にも様々な街をてくてくと歩き、いろんな場所に行って、いろんな買い物をした。でもここには書かないし、半分くらいは(疲労のせいで)記憶が曖昧。都会にいると、脳が電池切れというか、ゾンビ状態になる時があるのだ。

 

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夕食は東京に住む友人と食べた。
「ヒカリエ」という商業ビルには初めて入った。その上のほう、「d&department」のカフェレストランで、なぜか「冷や汁」を食べた。羊羹も注文。
夜景は都会的に綺麗だったし、ごはんは美味しかった。それに友人とも色々と話せた。

 

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帰宅したのは、ほぼ日付けが変わる頃。

金曜日に仕事を終えて、その後に新幹線に飛び乗って上京、という形式は疲れたけれど、日曜日がまるまる空くのはとても助かる。気が向けばもう1泊できるという精神的余裕もあるし。
しかし繰り返しになるが、暑かった。荷物を最小限に抑えておいて、本当に良かった。僕が東京に行く時は、エアコンで街を冷やしておいて欲しいものだ。それが田舎者に対する「おもてなしの心」だと思う。オリンピックまでの課題として、ここに記しておきたい。

 

村上さんのところ

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職業としての小説家 (Switch library)

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