僕達のリアル・ライフ・マガジン

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連休明けには相応しくない、少なくとも僕にはそう思える激務だった。
作業量は多いが、同僚達と会話ができるのが救い。

年若き同僚から、「人生初の一人暮らしをする私へ、アドバイスを一言」と問われた。
こういう質問なら、即座に答えられる。仕事とは関係の無い話(TV・芸能ジャンルを除く)は得意だ。

オレンジページを買いなさい。少なくとも3ヶ月」

これが年長者としての、唯一のアドバイス。生き残りたければ、オレンジページを読まなければならない。キーワードは「サバイバル」だ。
例えば今日のように、疲労困憊の状態で帰宅した時に「資本論」が役に立つだろうか。「聖書」は換気扇の掃除には便利だが、日常生活には冗長すぎる。そういう時に大切なのは「15分で完成。フライパン1つで簡単ごはん」の知識だ。それが独りで生きるということだ。

この困難な時代、日本国民がぎりぎりのところで踏みとどまっていられるのも、実はオレンジページの知識があってこそ。これは当たり前過ぎて誰も言わないが、事実である。
20世紀最後のサヴァイヴァリスト「ニルス(デッドエンド)ニールセン」も、フィンランドの山小屋でオレンジページ・ムックを愛読していたという。「もちろん広告記事も無駄にしない。いい焚付けになるんだ(笑)」と言っていた。
オレンジページの別名、「知のサバイバルナイフ」は、伊達ではない。

もちろん「暮しの手帖」のほうが、読み応えもあるし、真面目で楽しい。しかし一人暮らし初心者にはハード過ぎるところがある。基礎体力をつけなけば楽しめない物事も、世の中には存在する。

理想を言えば、1年半は読み続けて欲しいところ。だいたい1年と数ヶ月で「また大根1本使いきり特集じゃねえか」と気付くだろう。「冷凍ひき肉の話は、もう知ってる」とも。
その辺りでたぶん、「ああ、自分はオレンジページを“卒業”する時期だな」とわかる。あるいはそのままオレンジページ的生活を極める道に進んでもいい。別の雑誌や本へと旅立つのも(もちろん)いい。ただし、そこからが本当のスタートラインだと心得て欲しい、僕はそう考えている。

レタスクラブ」も悪くはない。ただあれは、ちょっと安っぽい。価格としては20円程度の差だった筈だが、目指す世界が明確に違う。「Esse」については、よくわかりません。
うっかり「クロワッサン」を買ってしまうと、また別の世界に行ってしまうから、注意が必要だ。昔は似たようなものだったと記憶しているけれど、今は違う。理由はわからない。

まず3ヶ月で、「オレンジページ脳」を生成する。これは誰にでもできる。そういう風に作ってあるのだから、四の五の言わずに読めばいい。
そして1年半のオレンジページ生活を通し、生活力を、さらに言うと生活を彩る力を身につける。そこからオレンジページ的にカラーボックスをデコレーションする能力を極めるか、あるいは「暮しの手帖」や「ku:nel」や「天然生活」、あるいは「ELLE DECO」に切り替えるのかは、あなたの人生次第。

 

そんな話をしたのだが「またまたこのメガネのおっさんは真顔で変なことを言う!」みたいな反応をされてしまって、やや心外である。
その後、「実は彼氏と同棲するんです」と教えてもらった。そういう事ならば勝手にすればいいと思う。「すてきな奥さん」でも買えばいいんじゃないの、と思ったのだけれど、僕は紳士だから言葉には出さない(表情には出ていたかもしれない)。
でもオレンジページ、冗談抜きで良いと思うのだが。信用金庫や耳鼻科でぱらぱらめくるのと、アパートでじっくり読み込むのとでは、全然違ってくるところが面白いと思う。
意味不明な雑誌名も好ましい。「オレンジページって、どういう由来なのだろう」と考える夜。そういえば「クロワッサン」も変な名前だ。パンか。