鯖の子

尊敬する鰯・鰺・鯖のために (クロワッサンの本)


社員食堂で、珍しいものを食べた。
「鯖の子」という品。
鯖の卵巣が、煮魚風に煮てある。生姜の薄切りが添えてあった。

一般的な魚卵の煮物と同じく、美味しかった。
卵はずいぶん細かく、そして量はたくさんある。他のおかずがいらないくらい、煮魚の類としてはいささか多すぎるくらいの塊だった。

あまり魚屋では見かけない。スーパーマーケットでも、滅多に並ばない。かといって外食の際に食べるのかというと、そういう経験も無い。居酒屋などでは食べるのかもしれないが、飲酒の習慣が無いため、よくわからない。
鮮魚センターや魚市場の直売所では、春から初夏にかけて売っている。それほど高いものではなかった、と思う。

社員食堂的には珍しいかもしれないが、味も素材も、珍品とまではいかないだろう。港が近い土地ならではの味、とは言えそうだ。

しかしこれ、卵の段階で漁獲したら、漁業資源としてはずいぶん勿体無いような気がする。産卵期は避けたほうが良いのではないか。

同僚は「うえー鯖の卵だって。気持ち悪い」と言っていた。
鯖は食べる。辛子明太子は好物、そういう人が、卵巣は食べられないというのも不思議な話だ。カレイやタイの煮付けに入っている卵は「ぜんぜん気持ち悪くない」という。
「人は不合理なものだな」と思った。僕だって人間だが、こういう時は「ちょっと遠い」感じがする。
自分ももう少し意味不明な言葉を使ったほうが、人間社会に馴染めるのかもしれない。「どうしてスムージーに煮干を入れないんですか。ミネラルも補給すべきです」とか、今度言ってみよう。

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