方言、ご自宅用ドーナツ、柑橘。

今の勤め先におけるジャーゴンの氾濫に嫌気が差して、「せめて新人向けに用語辞典でも作ったらどうか」と提案したところ、「そういうの得意そうだね。頼むよ」と言われてしまい、今日も仕事の合間にこつこつと作っていた。「そうか、ジャーゴンに満ち溢れた、内向きで客観性に欠ける文化が我が職場の問題点なのか。修正しなければ」とは、考えてくれない(もはや期待もしない)。

「この言葉も頼むよ」といった感じで色々な人がファイルを送付してくれるのだが、どれも「セル1つに長文をぎゅうぎゅう詰め込んだ文字飾り溢れるExcel」とか「テキストボックスを貼り付けまくって妙なレイアウトを達成したWord」といった、活用が難しい形式・書式ばかりで、この辺りからも「外からの目を気にしていない」感覚がじわりと伝わってきて、疲れる。もちろん、そういう人の書く文章は、用語辞典に載せられる水準を満たしていない。たまに「Excelにおける基本的なテーブル形式で構築しました」あるいは「カンマ区切りのプレーンテキストです」と配慮してくれる人がいて、そういう人々の書く用語と解説は、きちんと役に立つ内容なのだけれど。
だんだん、「方言辞書」の様相を呈してきた。「molとは当職場におけるmol/Lの通称である」なんて文章を書いていると、疲労もひとしお。思わず帰宅時にミスタードーナツでドーナツを買ってしまった。

 

そのミスド、今日は100円均一セールを実施中だった。
個人的には、数十円の値引きよりも、多くの種類が潤沢に選べる状況のほうが嬉しい。セール期間中は、どうしても同じ品ばかり並ぶ傾向がある。それに数だって、いつもより少ない。

今日の店員さんは、とても落ち着いていた。淑女以上貴婦人未満のレジ係さん。
そのミスタードーナツ・レディーが、精算の際、実に堂々と「ご自宅用ですか?」と聞いてきた。
手土産にドーナツを購入する人は少なくないと思う。しかしドーナツをプレゼント用に買う人は、見たことがない。少なくともミスタードーナツのドーナツは、一般的には(ラッピングした)プレゼントにはならない、そう考えている。

「ではお任せしようかな。家内の誕生日なんだ。ああそうだ、この“きなこワッフ”に合わせるには、他に何を選べばいいんだろう?私のチョイスでは彼女も飽きるだろうから、今日は君のセンスがサプライズ。ドーナツにシナモン、結婚生活には小さな驚き、そうだろう?」などと気の利いたことを言いたかったが、でも実際には「あ、うう、持ち帰りで…」としか言えなかった。

たぶんレジの担当者は、アルバイトの掛け持ちをしているのだろう。あるいは昔の職場の言葉が、つい出てしまうのか。そういう人は多い。僕は今でも、転職前の勤め先の言葉や仕草を使ってしまう。

 

ところで昨日ここに少しだけ書いた(いただきものの)柑橘類は、素晴らしく美味しかった。
手で皮がむけて、中の小袋もそのまま食べることができて、甘味も香りも酸味もしっかりしていた。これを食べると甘夏や夏蜜柑は食べられない、と職場の人は言っていたが、確かにそんな感じがする。
たぶん名前は「はるみ」。ネーブルやオレンジとデコポンを合わせたような味だった。もう1つ、「スイートスプリング」という品(おそらく甘夏と対応した名称だろう)も戴いて、それは明日以降に食べる。

 

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