ハンバーガーの夜と雨、それから災害対策のこと。

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アメリカン・ダイナー風の店でハンバーガーを食べ、夕食とした。

ハンバーガーは文句なく美味しかった。
肉汁あふれる厚いハンバーグと、充分な量の野菜、チーズとパンの組み合わせ。マヨネーズが使われていないところも評価できる。バター風味のポテトも良かった。
コーヒーはいささか薄い。ここまで薄いのならば、量がもう少し欲しいところ。でもまあ仕方がない。

職場からの帰路、ほぼ何もない道を帰る途上にある貴重な飲食店。以前から気になっていた。たぶん今後も、「家に夕食の用意が無い+料理する気力に欠ける+疲弊している」という状況で利用すると思う。

アメリカン・ダイナー“風”と書いたのには、2つ理由がある。
まずアメリカン・ダイナーそのものが、日本では成立しないのではないか、と考えているから。これは原理的な問題ともいえる。つまり、あの時代のあの土地だからこその“アメリカン・ダイナー”であって、今そのテイストを再現しても、それはまた違う何かになってしまう、少なくともアメリカン・ダイナーはその性質が強い、と僕は思うのだ。

2つ目の理由は、もっと単純なもの。この店、あらゆる方面で「所ジョージが提案するアメリカンカルチャー」の精神的コスプレ、もっというと「世田谷ベース」の再現を試みているように見えるのだ。
しかしその方面ではカリスマであり覇者ともいえる所ジョージと比べると、もちろん(大幅に)見劣りするのは否めない。プロの個人店よりもハイアマチュアのほうが優れている、なんて世界は当たり前に存在するけれど、でもこの分野ではどうしても「劣化コピー」の印象が漂ってしまう。ガチガチのアメリカンアンティーク雑貨で固めた店ではないから、どうしても「理想と現実」について目についてしまうのだ。あと少し、ほんの少しでもいいから独自色があれば、また印象も違ってくると思う。
まあ、そういうルーズさもまた「所ジョージ的アメリカン」の持ち味だとはいえるのかもしれない。その方面、ちょっとよくわからないので、これ以上は書かない。

 

所ジョージの世田谷ベース VOL.28 (NEKO MOOK)

所ジョージの世田谷ベース VOL.28 (NEKO MOOK)

 

 ただ、繰り返しになるが、ハンバーガーは美味しかった。
店名は写真を眺めていればわかる筈。特にここには書かない。
それとアメリカン・ダイナーを目指すのならば、ラップ・ミュージックは流さないでほしい、それは基本の基本だと思うのだけれど。

ドーナッツをくれる郵便局と消えゆくダイナー (朝日文庫)

 

そういえば、今日は桜をよく見かけた。
山にも堤防にも、鮮やかな花が咲いていて、「なんですかいきなり!」と思った。先週まで分厚いキルティングのコートを着ていたのに、今日はもうカーディガンとシャツで過ごせる。ただし雨が降っていた。今もまだ降っている。

 

 

ところで今日は、防災に関する会議に参加した。
事業所あるいは部署レベルでできる、大規模災害対策のアイデアを出してみないか、との提案。「東北の大震災から学んだ実際的な(そして低コストの)対策」が欲しい、という話だった。
僕からは「被災した際に必要な様々な印刷物を、予め用意し、配布し、非情用持ち出し袋に入れておく」という提案をしてみた。これは自分の発想ではなく、あの大震災の後に、誰かがTwitterでつぶやいていたもの。
玄関先に貼りだす「全員無事です。◯月◯日より〇〇に避難しています」とか「避難場所に行った際に、まず行政が必要とする情報を整理して記入できる用紙」といった紙を、印刷しておけばいい。データで配っても、たぶん99%が使わない。印刷しておけば使う機会があるかもしれない。実際に被災しても役立つかはわからない。でも、日持ちするし、かさばらないし、役に立つ局面では本当に便利だと思うのだ。停電した時に、自宅のプリンタを使う訳にもいかないし、その時点で「ああ、玄関に貼り紙をしなければ、救助隊の人達が困るだろう」という発想ができない可能性もある。
何より印刷物は、個人よりも会社のほうが得意だろう。

「もうちょっと見栄えのするものを」みたいな反論をされたので、ここにその鬱憤を書いている。「大津波に遭った時、みたいな“シーン”を思い浮かべられる対策がいい」なんて、脳天気にも程がある。
見栄えのする低コストな手作り対策は出尽くしている、そう考えたほうが現実的かつ建設的であり、そういう認識のもと小手先を尽くす大切さもまた人の知恵として尊重して欲しい。
個々人の工夫と情報の力こそ、あの大災害から学んだ、それこそ「大きな堤防と、年に1回の缶詰配布」と同様に大切なものだと考えている。

と、ここまで書いたところで「でもこの会社が独自制作した印刷物なんて、きっと酷い内容になるだろう。罫線とワードアートを駆使した酷いWord文書が配布されそう」と思ってしまったので、もうこの話はおしまい。
あと少ししたら寝る。

 

知ろうとすること。 (新潮文庫)

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