印象に残った年賀状2015

職場の偉い人から年賀状が届いた。
役職としては、上司の上司の上司くらいの立場だと思う。日常業務ではほとんど会話をした事が無い。
小中学校の職員室でいうと教頭先生の机の位置にいて全体を統括、でも週の半分以上は会議や打ち合わせの為に本社に出張、そんな人。

なかなか凄い、他に類を見ない年賀状だった。
ドラッカー本やスポーツ選手の自伝から引用した、「2014年に心に残った、皆に知っておいてもらいたい大切な言葉」が10件、書き連ねてある。7つ目くらいには、若者受けを狙ったのか、「ワンピース」の名台詞が引用されていた。
背景には「家内と行ったナントカ渓谷の紅葉」の写真が使われていて、空きスペースにはWebサイトからコピーしたであろう解像度の低い、そして著作権侵害になりそうなイラスト(アナと雪の女王とか妖怪ウォッチのキャラクター)が配されている。

はじめは、何かの間違いで届いた、怪しい宗教か頭のおかしい人からの手紙かと思った。あるいは自己啓発セミナーの広告。そもそも、上司の上司の上司の名前なんて、覚えていない。

今日、その(怪しい)年賀状が、その偉い人からのものと判明した。
職場の人達にとっては、ごく当然の事らしい。「5番目の言葉、あれいいよね」みたいな話すら聞こえてくる。
「あの人は仕事はできるんだけど、年賀状のセンスはねえ…」みたいな事を言う人は、一人もいない。
異郷というのは、距離の問題ではないのだ。海や山脈によって分かたれなくても、こうしてカルチャーは分化していく。

 

それにしても、年配者の作る年賀状は、どうしてああも似通っているのか。

  • インクジェットプリンターのノズル詰まりを原因とする横縞
  • たぶん設定は「普通紙:印刷品質(早い)」
  • 縦横比を固定しない画像(トリミングはしない)
  • 唐突に挿入されるイラスト(背景の白色が四角く主張する)
  • 影などの特殊効果を駆使した筆文字フォント

この人、仕事ではパワーポイントとか駆使してるのになあ、と不思議に思う。秘書がつくほどには、地位は高くない。「君、明日までにこの内容で発表資料を作ってくれ」なんて指示を受けるほど、事務作業や庶務専門の人員がいる訳でもない職場なのに。

そういえば、僕の住所と郵便番号は、どこで知ったのだろう。
コンプライアンス的に駄目なんじゃないか、と思う。
ところで、部署の全員に配るだけで約90枚。「皆に知っておいてもらいたい言葉」なんてものは、例えば「年頭の挨拶」あたりで使えば良い気がするのだが、どうだろう。

 

この話とは直接関係無いが、今年の(僕の)年賀状は、こんな感じ。
いくつかバージョン違いと、使用した紙の違い、そして、全く違うイラスト(親類縁者用)がある。
今思うと、これはシープじゃなくてゴートかもしれない。苦労した割には、というか苦労が全く完成度に繋がっていない作品になってしまった。今回はクラフト紙に印刷して、滲みと紙色でずいぶん印象が違ってしまった点も、予想外だった。時間があれば、もう少し工夫できたのに。

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ところで来年の干支は申(猿)。猿は苦手だ。困ったことだ。

 

東京奇譚集 (新潮文庫)

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