経済封鎖

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昨日の夜に買いそびれた「天冥の標」を買いに、また同じ書店に行ってきた。
同じ店を選んだのは、単に近くて、ある程度の規模があって、ポイントカードのポイントが溜まっていて、慣れているから。他意は無い。

今日も、新刊コーナーには置いていなかった。検索機によると「在庫有り」となっている。
検索機から問い合わせ票を印刷して、近くにいた店員に探してもらう事にした。

担当してくれたのは、中年の男性店員。たぶんリーダーとかマネージャーといった役割の人だと思う。誰かに指示をしたり、打ち合わせをしている事が多い。普段はそういった業務の合間に、主に漫画の棚の整理を行っている。
接客は苦手なように見える。いつも素っ気ないけれど、落ち着いていて、難しい注文でも迅速に応えてくれる。

でも今日は、この人の能力を持ってしても、この「在庫有り」の品は発見できなかった。
発見も何も、ただ新刊コーナーをざっと見て、「ああ、品切れですね。売り切れでしょう」と、それだけだった。
「在庫有り、じゃないんですか?昨日が発売日なのですが」と聞いてみたのだが、「ここに無ければ、売り切れです」と、実に冷酷な返答だった。

宮﨑駿作品のヒロインだったら、髪の毛がざわっと膨れる状況である(わかりづらい例え)。
バックヤードの確認も、在庫管理システムのチェックも無い。たぶん、文庫本1冊を売るよりも、新刊漫画をシュリンク包装しておきたい局面だったのだろう。

 

しかし僕としては、ここで何らかの行動を起こす必要がある。
そう、戦争である。戦争は常に正義によって始動し、駆動するのだ。
もちろん暴力は許されない。僕は客で、相手は店だ。マネーが銃弾の代わりとなる。
具体的には、今日から1ヶ月の間、この書店を利用しない。場合によっては、期限の延長もあり得る。

なにしろ交通至便で、そこそこの広さと品揃えがあり、棚の配置も慣れ親しんでいるから、「今回はこのくらいで勘弁してやる」のが、僕としても精一杯なのが実情でもある。Amazon電子書籍に全依存する程には、この書店と紙の本には絶望していない。

とにかく、宣戦布告も、同盟も、協定も無い、仁義なき経済戦争を開始しようと思う。味方はひとり、自分だけ。苦しい1ヶ月となるだろう。

 

さて、怒っても泣いても、「天冥の標」の最新刊は手元に来ない。
仕方がないから、買い物のついでに、「TSUTAYA」の看板を掲げる書店に行ってみた。
都会のことは知らないが、田舎におけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ・グループは、その名に反して、文化の果てる、不便な場所である。
要するに「天冥の標」は、売られていなかった。
入荷すらしていない、という。Amazonの文庫本ランキングでは15位の本なのに。
TSUTAYAの入り口には「ここより文化の果て 注意されたし」と立て札をする必要がある。

 

もう、この土日には「天冥の標」は、買わない。火曜日の祝日(天皇陛下ありがとう!)に購入し、その日はどこかゆっくりできるところで、心静かに、豊かな読書体験をしようと決めた。
あまりに1つのことに拘泥するには、土日だけの休みは少なすぎる。あっという間に夜になってしまったし、明日は明日で、やりたい事がたくさんある。
土曜日と日曜日が、それぞれ36時間ずつあれば素敵だと思う。
今年のサンタクロースへのお願いは、「読書をする時間と、良い書店をください」に決めた。今から短冊に書いて、笹に吊るす。そして寝る。

 

天冥の標VIII ジャイアント・アークPART1 (ハヤカワ文庫JA)