アボカド・アーモンド・スムージー

 新しい勤め先が決まった。ずいぶん長い期間、日銭稼ぎ的な仕事ばかりしてきたから、これで一応は安心。長く続けられれば良いのだが、身体に障らない程度に頑張ろうと思う。
 病気(鬱病)になって休職、そのまま退職して実家に帰ってきて自宅療養、その後の職探しと、自分でもよくわからない位に長くてぼんやりした、そしてきつい年月を過ごした。今は健康だが、なにしろ心身共に病んでいたせいか、数年前の記憶が曖昧としている。
 実家暮らしだった事、それほど金のかかる趣味を持っていない事、ある程度の貯金があった事、そして副業(イラスト描き)などで少しだけ収入があった事で、なんとか(金銭的には)乗り切れたのだと思う。たくさん旅行にも行ったしケーキはやたらと食べたし本も買っていたけれど、今のところ退職金には手を付けていない。

 

 その就職祝いも兼ねて、今日は知人に昼食を招かれた。家から徒歩数分にあるアパート。知人とは数ヶ月間だけ派遣社員の仕事で一緒だった。仕事中に話すようになり、引っ越しの手続きを助けたり、あるいは電子機器の操作を教えたりして、お互いに派遣期間が終わってからも交流を続けている。僕としては性別も年齢も違う知り合いなので、異文化交流的な面白みがある。僕の知る、数少ない「最近の若者」といえる。

 知人はここ数年、ロハスっぽい方向への転換を図っている。もともとヤンキーとかギャルっぽい人だったのだが、思うところあって別方面への模索、あるいは迷走を続けている。少し前までは環境に過敏(電磁波忌避とかアンチ放射能とか毒出し系)で、その前はライトなスピリチュアル、そして最近はヘルシー志向らしい。「パンケーキは卒業した」と言っていた。
 というわけで今日の昼食は、手作りのスムージー
 高出力のミキサーを買ったばかり、とのこと。アボカドとアーモンドと豆乳のスムージーを作ってくれた。バナナも入っていたと思う。初めての味で美味しい。なんとなくジーマミー豆腐っぽい。
 しかし会食の際にスムージーというのは、なんとも間が持たない。お腹は膨れるが、あっという間に終わってしまう。だから2杯目を作ることになった。
 2杯目は、僕の手土産(梨とプラム)を使った。ここに湯がいた豆苗を加える。梨は美味しい果物で、プラムだって素晴らしい。スムージーの本によれば、豆苗も「酸味のある果物と合わせればハーブみたい!」という。でもこの梨・プラム・豆苗スムージーは、罰ゲーム的な味わいだった。稀有な、そして望ましくない形でのケミストリーが発生したのだと思う。彩りに浮かべた冷凍ブルーベリーすら不味い。

 ヘルシーとは関係無く、食後には「braun Sugar」のロールケーキを食べた。この店のロールケーキは素晴らしいと思う。特に変な味のスムージーの後に食べると格別だと判明した。

 帰りがけに、「おばあちゃんが作った」という梅干しを貰った。そうか、若い人というのは祖父母が存命なのだなあ、と妙に感慨深い。
 「梅干しは身体に良いので、日々の生活に取り入れるとよろしい」と伝えたところ、「お母さんみたい」と言われてしまった。でも梅干しは一人暮らしに便利だと思う。スムージーには向かないけれど。

 

 

はじめてのスムージーBOOK

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