釈然としないオムハヤシライス

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土地勘の無い、ビジネス街のようなところで昼食の時間になった。

それなりに繁盛していそうな洋食屋さんに入る。見た目は普通の、街の洋食屋さん。外に掲げられたメニューによると、シチューやハヤシライスが得意らしい。

席につき、メニューを見る。価格を見て少し驚く。高い。
コカ・コーラが800円くらい、ハンバーガーが1900円。改めて客席を観察するに、ミセスやマダム達が“ちょっと良いランチ”を食べに来る、そういう店だったようだ。

そういえば洋食屋に入ったものの、特別に洋食的なものを食べたい訳ではなかったと、その時にはじめて気づく。

とはいえ食事は摂らねばならない。というわけで、メニューの1ページを占めて紹介されていた「オムハヤシ」を食べることにした。

確かにまあ、美味しい。卵はとろりと半熟、ハヤシライス部分はとてもコクがある。サラダもスープも満足できる味だった。
しかし僕はもともと半熟のオムレツが好きではないし、ハヤシライスを食べたかった訳でもないのだ。
そしてだんだん「不味くは無いけれど、どこまでも普通だな」という思いが強くなる。個性も無いし、目に見える工夫も無い。そして妙に量が多い。
なんとなく釈然としないような、落ち着かない気分でスプーンを動かした。

高い割に、というほど味の違いがわかる舌は持っていないけれども、店はそれほど高級感は無かった。漫画本こそ置いていないものの、BGMは日本のヒット曲をピアノアレンジしたものだったし、メニューはExcelで作ってあった。なによりONEPIECEのフィギュア(ゲームセンターにありそう)が飾ってあった。

 

 

 

今もこうして日記を書きながら、少しの後悔とともに、不思議に思っている。あの店は何だったのだろう。
帰ってきてからインターネットで情報収集してみたが、全くといっていいほど情報が無い。

老舗や名店、という雰囲気ではないし、かといって地元の人達が贔屓にしている感じもしない。ビジネス街にあるけれど、ビジネスマンは相手にしていない感じもする。かといって若者の店でもない。

有り体に言えば、「ただ高いだけ」だった気がする。
地方都市には稀に、価格が高いだけの飲食店が存在するのだ。

しかし、1900円のハンバーガー、あれは食べてみたい。今日は品切れだったが、いつか気が向いたら食べに行くかもしれない。見本写真はそれほど美味しそうではなかったが、でもなんとなく。
その時は「今日は贅沢をした」という気分になれるだろうか。今日は残念ながら、そういう気分にはなれなかった。面白い経験だったけれども。

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