ハズレ・カフェ

新しくできたカフェに行ってみたところ、色々な点で残念な思いをしたので、以下にそれを記す。
書きながら良かったところも思い出すつもりだが、書かれていなかったら残念ながら悪印象しか無かったということになる。何しろこのブログでは書き直しや推敲をしないので、ずらずらと酷いことを書き連ねてしまうかもしれない。しかしまあ、そういう日もある。1004円の支払いと、30分の時間が無駄になったのだ、その分だけは書いておきたい。

ちなみに静岡市の七間町にあるダイニングレストラン的なカフェである。とりあえず『ハズレ・カフェ』と仮称する。

まずコーヒーが悪い。
味は特筆すべき部分が無い、コーヒーマシンで淹れた濃くて苦いものだった。

この濃くて苦いコーヒーが、ポットにて供される。ではたくさん飲めるのかというと、1.2杯分くらいしか入っていない。もちろんカップに移す作業が必要となる。だがステンレス製のポットは、とても熱い。そして2杯目（正確には残り0.2杯分）を飲む頃には、ポットの中のコーヒーは冷めきっているのだ。どのような理由でポットにて提供することに決めたのか、責任の所在を明らかにせよとは言わないけれど、改善を望みたい。マグカップか、少し大きめのカップで良いではないか。

カップといえば、最初に出されたコーヒーカップに、コーヒーの微粉が付いていた。すぐに替えてもらったけれども、次のカップも同様に微粉が付着していた。昔、同じミスを2回繰り返すと激怒する上司がいたけれど、ふと彼の事を思い出させる状況だった。

コーヒーも悪いが、ティラミスも良くなかった。
「それほど美味しくないティラミス」を、産まれて初めて食べた気がする。ティラミスは基本的に美味なもの、という認識が揺らいだ。ランチの最後に一口だけなら別に気にならなかったようにも思えるが、それにしてもぼそぼそとして雑なつくりのティラミスだった。

特にココアパウダーの振り方が雑だった。ダマになっていて、しかも量が多い。
テーブルに置かれた時にぶわっと辺りにココアの粉塵が舞ってしまい、結果として（帰宅後に）ズボンを洗濯する羽目になった。ココアの粉が布地に付くと払っても落ちにくい、と知ったが、別に知らなくても良い知識のような気がする。

他にスイーツメニューが無かった（フレンチトーストがあったけれど、量が多そう）から仕方なく選んだ、という点を差し引いても、このティラミスは残念だった。

そういえば皿が生暖かかった。スプーンがティースプーンしか無かった。他にも色々あったが、きりがないので書かない。
一言でいうと「『美味しんぼ』ならば人間関係のトラブルに発展しそう」、そんなティラミスだった。

『ハズレ・カフェ』の、良い点をひとつ思い出した。
外観は小奇麗で、悪くないと思う。ガラスをふんだんに使った明るい店内。天井板の無い、白い壁の内装（壁には店名などが書き連ねてある）は、ありふれた感じとはいえ、とても入りやすいと思う。店の前にメニューが置かれているのも親切。

店員は、キャップと白いシャツで揃えている。接客以外の仕事も忙しそうだなあ、と思わせる振る舞いは別として、カジュアルで気楽な雰囲気がある。

後で知ったが、野菜などに気を遣った、素敵なランチやディナーが売り物らしい。おやつの時間に使ったのが間違いだった可能性がある。本来はランチかディナーで楽しむべき店だったのだろうか。

総じていうと、お洒落さ具合も、メニューも、店員の態度も「居酒屋辺りが『カフェダイニングって良さそうじゃない？』とカフェ事業に手を出してみました」といった感じが伝わってくる、そんな店だったが、それを見抜けなかった自分を今は責めたい。特に15時40分頃の「暑いし他に店も無いし、新しい店というのもたまには良いかな」と思った自分は軽率だったと思う。
しかし新しい店を出た後に「これならスタバのほうが良かった…」と思ってしまうのは、残念なことだ。スターバックスに罪は無いのだが、なんとなく“負けた”気がする。自分の選別眼が負け、静岡のカフェ・シーンが負けた気分。

と、恨み辛みはここまでにする。
今日は懸案事項や準備していた事柄が、するりするりと片付いた。探していた本は買えたし、友人にプレゼントも渡せた。イラストも仕上げた。
気温は高いが爽やかに乾燥していて、洗濯物がよく乾いた。自転車に乗っていて気持ちが良い、まるで梅雨入り前のような素晴らしい天気。総じて言えば（ハズレ・カフェは別として）良い休日だったと思う。

そして珍しい、ターコイズカラーのSTRIDAを見かけた。自分の銀色も良いが、この色もかっこいい。持ち主であろう小柄な女性にとても似合っていた。