ジャンピン・サンジャックを食べに行く。

 
寝転がりながら読書をしていたところ、二度寝に陥ってしまった。
11時を過ぎた頃、「駄目だ早めの昼ごはんを食べて出かけないと有意義な休日を過ごせない」と思いつつ、寝てしまった。
寝ながらも「駄目だ早めの昼ごはんを食べて出かけないと有意義な休日を過ごせない」と考えていた。
夢の中で目覚め、プチトマトのパスタを作って食べ、身支度をした辺りで「ああ夢だ」と気がつく。それで薄目を開けて「さあ動こう」と思うが、また寝てしまう。
そのサイクルを何度も繰り返す。後から考えると非現実的な部分も多いが、なにしろ夢の中なので気が付かない。二度寝の常として、悪夢じみている。
「この夢から覚めなければ」という強い想いのベクトルは、しかしメビウスの輪のように循環する。
全体としては、「イノセンス」でトグサ氏が陥った迷路に似ている。いとうせいこう氏の小説(解体屋外伝)にもありそうな状況。
こういう状況から抜け出す時は、全く別の言葉を紡がねばならない。懐中時計を持った兎のような何か。今日も突飛な思いつきがあったと思うのだが、目が覚めたらすっかり忘れてしまった。
あるいは単に、十分に睡眠がとれただけかもしれないし、寝疲れたのかもしれない。いずれにしても、寝起きは最悪だった。既に14時に近い。



プチトマトとヨーグルトとコーヒーで昼食を済ませる。時間が遅いからスパゲッティは作らない。そして、自転車による散歩の為に静岡の町外れに行く。
中心街を避けながら自転車を走らせる。天気は良いし、風は涼しい。



Saint Jacquesという名の焼き菓子。聖ヤコブという名から、帆立貝を模しているのではないかと推測。とても美味しかった。
今日は鷹匠町にある「FRIDGE」というお店に行った。「juillet」というカフェバーの昼間営業、という形式らしい。
カウンターの後ろにはお酒がずらりと並んでいる。綺麗なグラスと落ち着いた雰囲気。地方都市静岡には珍しいお店かもしれない(お酒を飲まないのでよくわからない)。
バーと洋菓子は、わりと相性が良い。フルーツの使い方や、そもそもの「完全な嗜好品」という部分で共通点があるのだと思っている。そして店主のパートナーが洋菓子作りを担う場合が多い。
というわけで、かなり期待をして行った。そして十分に堪能した。
今日は「ジャンピン・サンジャック」というデザートを食べた。「サンジャック」は聖ヤコブの事だと推測する。聖地巡礼守護聖人で、帆立貝がトレードマーク。
帆立貝のお菓子といえばマドレーヌだが、サンジャックもほぼおなじ生地だと思う。直径15cm程度と、普通のマドレーヌよりも大きい丸く平たい焼き菓子。今日はラムレーズン入りを選んでみた。
そのサンジャックで、手作りシャーベットを挟んである。9種類の中から、洋梨を選んだ。
ラムレーズン味の香ばしい焼き菓子と、良い香りの洋梨が、予想以上に美味しかった。コーヒーは濃くてこってりしている。
これは良い店を見つけた、とほくほくしながら味わって食べた。
帆立貝の貝殻くらいある焼き菓子とシャーベットだから、食べ終わるとお腹がいっぱいになる。心地よい満足感だった。



全体に豪勢で、まるで都会のホテルかレストランのデザートみたいだったが、値段は別に高くない。こういうお店は静岡では貴重であり、いつの間にか消えてしまう事も多いから、頑張って欲しい。
他にも、スイーツ盛り合わせや、チョコレート好きの為の特別メニューもある。少ないメニューだが、どれも手が込んでいる感じ。
そして不思議な事に、朝の9時から開いている。鷹匠町には朝から甘いものを出す喫茶店・洋菓子店文化があったと何かで読んだが、関係しているのだろうか。


「FRIDGE」
静岡市葵区鷹匠2丁目10-8 「パサージュ鷹匠」1F 「juillet」内
水曜定休
AM9:00〜PM4:00 OPEN


子猫。 寝起き。
「FRIDGE」のある「パサージュ鷹匠」には、ネコがよく寝ている。
普通に人懐こいネコ達だが、目付きだけが悪い。寝起きなのか、もともとそういう血族なのかは知らない。しかし人為的に演出された「パサージュ=小路」でも、ネコがいると素敵に見えてくるから面白い。




買いたいけれど他の本を読んでいるから、まだ買えない。帯の紹介文だけを読んでも「解体屋外伝」は面白そう。こういう「言語の力」系の話が好きだ。

解体屋外伝
解体屋外伝
posted with amazlet at 13.10.06
いとう せいこう
河出書房新社

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