バレンタインとツチノコと。

 
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職場の人から韓国土産でチョコパイをいただいた。
韓国でチョコパイというのは風刺とはいかないまでも洒落が効いている、これは珍しいと感心したけれども、そういう狙いは無い様子。
韓国は普通のお菓子(スーパーやコンビニエンスストアで売っているような品)が安くて美味しくて、手軽な土産に選ばれるらしい。他に韓国海苔も貰った。




どういう関係かはわからないが、昼休みに他所の菓子工場で試作されたチョコレートがまわってきた。今の勤め先はお菓子とは縁がないから、少し驚く。
大袋にたくさん、変わった形のチョコレートがそのまま詰められている。ハート型などの浮かれた形がほとんど。来年のバレンタインデー用、だと思う。
高級品ではない。義理チョコか、子供が買うものだろう。
安いバレンタインチョコレートは、外国で作っているのだと思い込んでいた。もう春から、こつこつと多品種少量生産で用意していくらしい。こういう品は、大工場では作らないし、街のケーキ屋さんも手がけない。
しかし最近はこの種の「横流し品」は珍しい気がする。では隠さなければいけないものなのかと警戒したのだが、きちんとした手続きで入ってきたので大丈夫との事だった。
少しだけファットブルームが見えるが、十分に食べられる。ミルクチョコレートばかりなのが残念。チョコレートはビターが好き。
薄青い見慣れないビニール袋に入った沢山のハート型チョコレートは、なんだかとても現実感が無い。それを「現代アートみたいだ」と言ったら、若い人に「何ですかそれ」と訊かれてしまった。
解釈し難いものを「現代アート」と言ってしまうのは、もしかして今の若者には通じないのか。そういえば「現代アート」っぽい個展を、最近はあまり見ない。



仕事中の雑談で、三重県から嫁いできたおばさんが「地元にはツチノコがいる」と言いだした。手ばかり動かす仕事だったから、許される限りは皆で雑談をする。
「ツチノコ」といえば日本で一番身近なUMA(未確認生物)だと思う。でも職場の多くの人達が知らないか、オバケの類だと思っていた。
おばさんの田舎では、休日に山菜採り感覚でツチノコを探す人もいるし、実際に見たという話も珍しくはないという。色や形や臭いや鳴き声まで知られている。
しかし基本的に「男の話題」であり、そして神聖視かその逆か、とにかく隠れて語る性質のものなので、「ゆるキャラにして町おこしの材料に」とはならない。
昔はテレビ局も来たけれど、最近はさっぱり。それと、捕まえた時に限って「テレビ局も学者も来ない」のも地元の常識(これはなかなか面白いと思う)。だから、やはり大騒ぎには繋がらない、らしい。
そんなに珍しいのならば学者が放っておかないのでは、と聞いてみた。「学者は標本が無いと話にならない。だから地元の人はあてにしていない」という答え。
でも「蛇に似ていて、里山に棲む。田のカエルやネズミを好んで食べる。殺鼠剤や農薬の影響でどんどん死んで、最近はめっきり見かけない」そんな生き物が見つからずに今も信じられているのは面白いと思う。
民間伝承や都市伝説の一種と考えれば最も簡単だろう。僕は実在しないと思う。でもおばさんの話には、妙な確信が感じられる。気負いや抹香臭さとは少し違う、土地の常識。
「残念ながら、写真や動画も残されていない」のも良い。
おばさんのお兄さんは「若い頃に軽トラで轢いて、気味が悪いから川に捨てた。後で「さっきのはツチノコだった」と気づいたが手遅れだった」と言う。祖父の父親、とか友人の友人、では無い。
「骨や皮は薄いから死体も残らないのだ」と、まるで見たような事が伝わっているところは学校の怪談じみている。
実際にツチノコが発見されたらどうなるだろう。新聞は一面に大きく載せるだろうか。



残念ながら、僕の田舎は、その種のおどろおどろしい話が少ない。
「元は沼だった。埋め立てて宅地にした」という話はよく聞く。他には「河川敷だった」や「山だった」も多い。「あの山は古墳である」と語られるけれど、古墳はオバケに結びつきにくい様子(何故だ)。
小学生の頃は怖かった幽霊譚も、図書館で仕入れられる全国共通の「七不思議」や「心霊写真」の亜流ばかりで、もう少し土臭さが欲しいところ。
三重県は「古き土地」という印象がある。三重県から奈良県に車を走らせている時に見かける土地の看板は、まるで和歌の世界。羨ましく思う。それに餅菓子が美味しい。





チョコレートといえば、偶然さきほどからこの漫画を読んでいる。
予備知識無しで表紙買いしたら、妙にエロティックな(しかし僕の方には向いていない)本だった。「きのう何食べた?」みたいな漫画だと勝手に思い込んでいた。でもたまにはこういうのも良い。
その男、甘党につき