血液型と性格とお国柄

 
かき氷。ワサビ味。すうっとする辛さ。
台湾への長期出張から帰ってきた友人と、静岡名物を食べに行く。
2人とも酒が苦手なので、昼間からやっているおでん屋さんへ。今日はとても空いていた。
おでんは、全ての具が串に刺さっていて1本50円。牛すじだけ、串が2本なので、100円になる。でもかなり大雑把で「これは煮えすぎているから無料」とか、どんどんおまけしてくれる。
どこかの名物らしい餅菓子も分けてくれる。これでお腹いっぱいになってしまった。
かき氷も食べた。ワサビ味という珍しいものを試す。薄甘いシロップに、生ワサビがすり下ろしてあって、すうっと辛味を感じる。ミントっぽい風味もした。




台湾の話を色々と聞く。
台北の職場では、完全に日本語が通じたという。技術的なところは英語の筆談。かの国の中でも優秀な人達と交流できたと言っていた。
その台湾の、主に若い人達の間で局所的に「血液型性格分類」が流行していて、ずいぶんその件について聞かれて困ったという。
学のある人達だから、オカルトとしてすっかり信じこんでいる訳ではない。その点では、日本での「血液型性格分類」とは、ちょっと違う印象。日本では真顔で「当たっているから真実」と言う若者もいる。
アニメや日本文学を楽しむように、あるいはかつての日本でハードロック好きの人達が麻薬や黒魔術の知識を学んだように「血液型と性格の話」を捉えていたそうだ。
100円ショップに相当する店に行けば日本語で「A型用ボールペン」等とプリントされた商品が置かれているので、それが知る発端となった若者がずいぶんいたらしい。
日本の芸能人や漫画のキャラクターのプロフィールに必ずABO式血液型が書かれている事で「血液型というのが各人にあるのか」と知った人がほとんどとの事。
たぶん国の成り立ちからであろう、「忠孝心」や「約束を守る意思」や「毅然とした態度」が重視される土地柄ということで、4つの性格分類もそれらに基いてアレンジされているというのが面白い。
血液型性格分類」が信じられているのは日本と韓国と台湾だけ、と聞いたことがある。恐らく韓国においても、韓国的な4分類がなされているのではないかと推測する。



この4分類は、実はきちんとしたパラメータ分布等は気にせず決められている。だいたい3つの血液型に関しては明瞭なキャラクターが与えられ、最後の1つはわりと適当に、曖昧な感じで済ませている事が多い。
4つに分けるのだから、X軸とY軸を描いて“田”の字の四角に対応する4種類の属性を決めて完成、とはいかない。『「+.+」「+.-」「-.+」「-.-」』という感じにはならない。
O型がこの「曖昧」を担っている事が多い印象。何しろ僕はこの種の言葉遊びに疎いので(友人も疎い)、ぱっと4つは浮かばないのだが、確かにそういう傾向はある気がする。
仮に僕が「血液型性格分類」を創作しろと言われたら、「真面目」「元気」「個性的」「(思いつかないけれどとりあえず)おおらか」と決めそうだ。4つ目の個性が、どうしてもぼんやりする。
これは、人間が対人関係を単純化する際に「味方と自分」「敵」「中立」「どれでもない(曖昧)」の4つに分けたがる事と関係している、と昔の本で読んだ。
文化や性別によらず、人間の社会性の基礎機能としては4種(というか、3種とその他)が精一杯ということらしい。
先ほどの、台湾の血液型性格分類も、この4つのアレンジではないだろうか。
前にベトナムを旅した時に、都会の若く学のある人達が「先進国ニッポン発のサブカルチャー」として「血液型性格分類」を捉えているとガイドさんが言っていた。彼の国ではどういう4分類がされるのか。興味がある。


そんな話をして、お茶を飲んで、午後を過ごした。夕方に友人を駅まで送り届けて、1人で書店をぶらぶらしてから帰宅。
今日は固体ロケット「イプシロン」の発射が延期になって残念だった。
しかし、新開発のAIは関与していないとはいえ、自己診断できちんと緊急停止したというのは、なかなか高度な事だと思う。ちょっと感動してしまった。



今日はこの本を買った。読むのはまだ先のこと。

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