誕生日にマンボウを食べる

 
今日は誕生日。
朝から大量のお祝いメールが届き、目が覚める。
全て生年月日を登録した会員サービスからのもの。ポイント・カードやアプリの会員等。しかしどのメールも派手派手しく飾ってはあるが、割引クーポンやサービスは無い。
気持ちも実益も無いメールというのは、なかなかに寂しいものだ。



先ほど、家族とお寿司を食べてきた。
港町の小さなお寿司屋さん。
全然高級じゃない。子供の頃から、たまに行く店。
庶民的な価格を維持する為に、ちょっと変わった方針を取っている。
高い魚は仕入れない。高級素材のほうが利益率は高いらしいが、高いとお客さんが来ない。だから普通は寿司屋で使わないような、お惣菜用の魚を選ぶ。地元の特産品であるカツオも寿司にする。深海魚も寿司にする。
今日はカツオとホウボウと深海ハゼがおすすめ品だった。深海ハゼって何だろうと思って注文してみたが、脂っこい白身で、ハゼの印象とは違う。
他にもいくつかの深海魚(名前は忘れた)を食べる。どれも癖のない白身魚で、ちょっと変わった脂の乗り方をしていた。1つだけ、コリコリした魚には思えないものがあった。
そしてマンボウを食べた。握り寿司と、肝の煮たもの、そして刺し身。マンボウはあっさりしていて、味は薄い。身も肝も、フグやカワハギの遠縁らしい味だった。
今日は「珍しいものを」と注文したので、卵焼きや穴子は出なかった。言えば食べさせてくれるのだろうが、満腹になったし、定番品は普段でも食べられるので、別にかまわない。
最後に誕生日という事で店主がカツオのたたきをどっさり持ってきた。全部食べて、貝の味噌汁を飲んで食事は終わり。




お寿司の量だけ考えても、ずいぶん歳をとったものだと感じる。
昔はもっとたくさん食べた。
今日はもうお腹いっぱい。今日はケーキは食べない。
年若い知人達からの飲み会の誘いを断り(花火だけ顔を出してきた)、今は家でカリントウを食べている。カリントウは別腹。




青い花(8)(完) 放浪息子 15