売り切れ

 




財布の中に図書カード(5000円)がある事に気づき、そうだ村上春樹氏の新刊を買いに行こうと、近所の書店に行った。
売り切れだった。
今は他の本を読んでいるから急ぐ必要は全然無いのだが、手に入らないとなると何やら購買欲のようなものが湧いてくる。
帰宅するか街まで探しに行くか、分かれ道の交差点でぼんやり考えていたら、青信号で発進するのを数秒遅れて、後ろの車にクラクションを鳴らされてしまった。
怒っているようで、その車が後ろにぴったりとつけてくる。ライトをぴかぴかと点滅させ、ものすごい排気音を立てる。
このまま家までついてきたら嫌だと困るのが半分、なんだこの人はわざとゆっくり走ってやれと好戦的な気持ちなのが半分で、とにかく法定速度ぴったりで安全運転を心がけた。
そのうち、田舎道で追い抜いて走り去ってしまって、その際にもクラクションを派手に鳴らしていった。
そんな事があって、その時に走っていた道が自宅へ向かう方角だったために、そのまま帰宅した。
なんだかよくわからないまま、しかし結果的にわざわざ街に行かなくて良かったのではないかと、今は思える。
本1冊の為に街まで行くのは、いくら暇人とはいえ無駄だろう。街は平日に限る。



冬服を片付けて、ついでにちょっと模様替えをして、読書と金魚の水換えと読み終えた漫画の整理、だいたいそういう事をしていたら夕方になった。
台湾土産のマンゴーとヨーグルトを合わせて食べ、豚バラ肉と白菜と庭の青菜でスープ煮を作り夕食とした。主食はパン。
両親は登山に行ってしまった。
せっかくの1人ごはん、たまには外食でもしようかと思ったのだが、金曜日にお金を引き出すのを忘れていたので、ちょっと手持ちの現金が寂しい。だから節制した。
図書カード(5000円)では、ごはんを食べられない。