さようなら製薬会社

 
仕事にも慣れ、ずいぶん楽に働かせてもらっている。
製薬会社の製造部門は、基本的に清潔であり、重労働も無い。衛生管理は厳しいが、設備が整っている為に、覚えてしまえばなんということもない。
服の着替え方からはじまって全部の手順が定められていて、それを嫌がって続かない人はわりといるけれど、僕は気に入っている。



新卒で入った製薬会社を辞めて、数カ月前からは派遣社員として地元の大きな製薬会社に勤めていた。
その自分のいた部署が解散する事になった。
前から、ずいぶんのんびりした部署だなあとは思っていた。設備はどんどん整理されていくし、社員は他の部署へ応援に行ってしまう。
のんびりしすぎて、気楽に働くには丁度良かったのだが、ついに仕事がなくなってしまった。作るべき製品は、別の会社に委託する事に。
社員も半分くらいは辞めるか契約社員になるらしい。
そして僕のような派遣社員も、契約を3月末で打ち切りに。
「派遣切りになっちゃってごめんね」ということで、今日は課長さんがお茶を奢ってくれた。
仕事帰りに数人で待ち合わせて、喫茶店に行く。コーヒーとケーキをごちそうになり、仕事の話と、仕事に関係無い話をした。
僕はたぶん、また派遣社員として、短期間の仕事につく。今のところ、隣町の電気機器の工場に行くようだ(さきほど派遣会社の人から電話があった)。
しかし短期の仕事は、あまり性に合っていない。もともと環境に慣れるのに人より時間と労力を要する質であり、しかし一旦慣れると元気になるタイプなのだ。
というわけで、並行して長く続けられる仕事を探していく。
 



それはそうとして、今日は帰宅したら「法多山のお団子」があった。
嬉しい。餡団子のなかでは静岡県でいちばん、あるいは日本一だと思う。
どうしてこんなに美味しいのだろうと、原材料表示を読みながら不思議に思う。
法多山に行かないと買えない(そして日持ちしない)のは、残念なような、ありがたみがあるような、複雑な気分だ。