鶏肉

夕方にデパートの食品売り場で鶏のもも肉を2枚購入した。
普段は普通のスーパーマーケットや、安売り店(安かろう悪かろう、の方針を隠さないお店)でパック入りの肉を買っているので、少しだけ特別な感じがする。
特に高値という訳ではないのだけれど、デパート、そして量り売りの雰囲気に慣れていないのだろう。

 

先程、「どれどれ、新じゃがのメークインと一緒に蒸し焼きにでもしようか」と包みを開けたところ、何やら大きな肉槐が出てきた。
もも肉を2枚、と頼んだはずなのに、いかにも“骨盤に接続しています”という構造の大きな肉が1枚。むね肉からももにかけて繋がっているように見える。骨や他の器官の名残り(?)も付いていて、変な表現だが、とても生々しい。

眺めていても仕方が無いので、包丁と台所鋏で解体を試みる。
といっても、余分な筋や脂肪を切り取りながら食べよい大きさに切っていくだけなので、作業自体に面倒なところはなかった。時間はかかったが、魚をさばくよりも簡単だった。


何だか面倒になってきたので、当初の予定であった“メークインと鶏肉のローズマリー風味”は取り止めにして、久しぶりにパイナップル煮を作ることにした。

 

学生の頃に誰か(谷村志穂+飛田和緒さんだったと思う)のエッセイで知って、当時は何度も作っていた料理だ。
本当はパイナップルの缶詰があると良い。でも、100%ジュースのみでも美味しくできる。

鶏肉は適当に切る。
今回は腿肉だったが、手羽先などの骨付き肉で作るとさらに良いと思う。

フライパンで生姜・ニンニクのすりおろしを炒めて(無くても大丈夫)、鶏肉を入れてしばらく火を通す。
焼き色がついたら裏返し、適当に焼けたらパイナップルジュースを注ぎ入れる。
醤油も(かなり多めに)入れて、強火で煮込んでいく。
パイナップル(缶詰)があったら、シロップを控えて一緒に煮る。

特に煮えばなには変な匂いがするけれど、水分が飛んで照りが出るころには酸味や香りは気にならなくなる。
途中でウスターソースやカレー粉、五香粉で風味付けすると、味が複雑になる。
ただし、調味料は少なめにしたほうが良いように思える。

汁気がほとんど無くなってきたら出来上がり。
冷めても美味しい。今日はお弁当用にも取り置くので、醤油は控えて、市販のだし醤油を使ってみた(冷めると塩気がきつくなるので)。




同じような料理を、外で食べたことがある。
その時はコーラかセブン・アップを使っていた。そしてかなりスパイスを効かせていた。
東南アジアの料理だと思う。

 

 

他に合わせる素材が思いつかないのと、果物を使った料理が苦手な人には勧められないのが難点。
ただ、焦げないように気をつけていればまず失敗しないし、比較的日持ちもする。
個人的には、肉を取ったあとの鍋で、玉ねぎを炒めたものが好きだ。

 

 

 

 

 

食べてみたら、とても美味しくできていた。
実家で両親が選んで買う肉と同水準だったと思う。だから料理も美味しい。
自分でできた分だけ、丁寧に下処理できたせいもあるかもしれない。

あまり無い事だが、肉のもとの形が実感できると、ちょっと得をした気分になれる。
尾頭付きの魚が高級に感じられる、というのに似ているかもしれない。

 

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